小樽市北前船日本遺産を活用した、withコロナ期対応型イベント開催事業実行委員会(西條文雪委員長)は、1月30日(土)14:00から小樽経済センター(稲穂2)7階ホールで、withコロナ・小樽北前船観光推進シンポジウムを開催し、約30名が聴講した。
新型コロナウイルス感染症拡大により、予定していたワークショップは中止し、日本遺産「北前船」を活用した今後の小樽の歴史文化を活かした観光・地域振興の課題や可能性を探った。
主催者を代表して西條委員長は、「本日のシンポジウムは有意義に終了し、その成果を小樽から発信させたい」と意気込みを述べた。
引き続き、迫俊哉市長は、教材“小樽の歴史”の作成に触れ、「こうした取り組みをさらに進め、北運河地区の回遊性についても、構成文化財を活用したまちづくりを行い、地域振興に努めたい」と挨拶。
國學院大学新学部設置準備室所属で日本遺産審査委員会委員長の下村彰男氏を講師に招き、「日本遺産を活用した観光振興」と題した基調講演が行われた。同感染拡大に伴い、同氏の来場は叶わずリモートでの出席となった。
日本遺産について、文化財の保存・活用の「循環」という方策(地域文化資源・資源管理マネジメント・観光まちづくり)について、ポイントを伝授した。
日本遺産は、保護を担保することを目的としている世界遺産とは違い、文化財を保存活用して発信することで、地域活性化を図るのが目的。認定には、ストーリーの演出やデザイン、まちづくりの展開など総合的な視点から審査している。
地域の文化資源を管理活用し、背景となる物語や歴史の魅力を伝えることで価値をあげ、財源確保に繋げるためには情報共有が重要で、地元の人がしっかりと歴史の魅力を知り、観光客に伝えることが重要。
文化資源を大切に見守りながら活用し、まちづくりに結びつけ、地域外の人や来訪者と広く協力し合える仕組みや、守り育てるお金やものの循環の仕組みについても工夫するようアドバイスした。
木村氏は、「地域が豊かになるよう、文化資源を活用してもらいたい」と可能性に期待した。
第2部は、おたる案内人ボランティアガイドによる構成文化財すべてを見学する、深堀り小樽・北前船堪能バスツアーや北前船構成文化財カードラリー、中止となった小樽雪花火についての事業報告を行われ、1月25日(月)からYouTubeで公開している動画2本を鑑賞した。
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