小樽市総合博物館運河館(色内2)では、トピック展「小樽八景・八名所」が、12月26日(土)から2021(令和3)年4月22日(木)まで、第一展示室で開かれている。
明治時代から現在まで、小樽の名所を選定する試みは行われてきたが、今回のトピック展では、1950年代に選定された「小樽八景」と「小樽八名所」にスポットをあて、写真やパンフレット・新聞記事から紹介。
工藤正智学芸員が、1952(昭和27)年9月5日の北海タイムス紙面に掲載された「小樽八名所後志十景」の記事を見つけたことがきっかけとなり、1970年代を中心に写真や資料を集め、今回のテーマで開催に至り、「現在の様子と違う昔の写真から、小樽の魅力を再発見してみてください」と話した。
新聞記事の「小樽八名所」には、天狗山金比羅・オタモイ・手宮観光地ライン・五百羅漢・銀鱗荘・豊楽荘・小樽公園・松山逍遥道路が選ばれ、写真で紹介されている。
手宮観光地ラインとは手宮公園周辺を言い、現在も石碑が建ち、今の観光名所となる小樽運河などは含まれていないことが分かる。
オタモイ遊園地に関連して、当時、同遊園地の弁天食堂を訪れた高松宮宣仁親王と喜久子親王妃の写真に写っているものと同じ、橋や神社・寺院の欄干についている伝統的な装飾の擬宝珠(ぎぼし)も資料として初公開した。
また、1952(昭和27)年の観光パンフレット「港おたる」(小樽観光協会)に掲載された「小樽八景」では、水天宮・小樽公園・金比羅大本院・五百羅漢・松山逍遥道路・手宮観光ライン・オタモイ・祝津日和山とあり、小樽八名所と6ヶ所は同じ場所で、1950年代の小樽八景・八名所は10ヶ所となる。
日和山灯台へ通じる、今では木が生い茂った松山逍遥道路は、当時、木が伐採され見晴らしが良く、小樽の景色を楽しむことができる名所だったなど、今とは違った小樽の魅力を再発見できる企画展となっている。
小樽八景・八名所 12月26日(土)~2021(令和3)年4月22日(木)9:30~17:00
入館料:一般300円、高校生・市内70歳以上150円、中学生以下無料
小樽市総合博物館運河館(色内2)第一展示室
年末年始(12/29~1/3)休館