2020(令和2)年度小樽市議会は、12月15日(火)13:00から、総務・経済・厚生・建設の各常任委員会を開いた。
厚生常任委員会では、付託されたふれあいパス現状維持を求める陳情22号について不採択とし、第4回定例会最終日に委員長報告され採決される。
同委員会冒頭、小樽社会保障推進協議会(色内2・中井秀紀会長)所属の全日本年金者組合小樽支部・吉村治子さんが、陳情趣旨説明を行った。
同会と構成団体は、7日(月)に、ふれあいパスについて現状維持を求める署名6,309筆を同議会宛てに提出。
吉村さんは、「小樽は、高齢者が人口の4割を占め、バスの便が良く、高齢者が健康で達者な足で外出し、バスに乗って社会参加ができれば経済効果も大きいと思う。コロナを避けるため、細心の注意を払って日々を暮らし、この災いが過ぎるのをじっと待っている。
来年は、外出もできる明るい年になると考えていたが、いきなりふれあいパス改定で、暗い気持ち。高齢者の自動車事故を未然に防ぐために、車を手放し返納する高齢者にとっては、ふれあいパスは力強い見方。
小樽市としても、高齢者という弱者を大事にする、人間味豊な市政実現のために、ぜひ従来通りのふれあいパス利用を継続していただきたい」と、熱い思いを語った。
立憲・市民連合の高橋龍議員と共産党の丸山議員がふれあいパスについて質問した。
高橋議員は、拙速ではないかと指摘があることについて質問。
地域福祉課長は、「見直し議論が始まってから数年、委員の皆さんと審議し、市民からのご提言をいただき、その末に取りまとめた内容の制度改正案を、11月9日にHPに掲載した認識で、決して拙速ではない」と否定した。
福祉部長は、「市の事業としては限界が近く、ふれあいパス事業に使うとすれば、他の施策を展開する費用に使えないということ。本事業を見直さざるを得ない」と、理解を求めた。
市の独自のふれあいパス事業は、70歳以上の市民を対象に1997(平成9)年からスタートしたが、2004(平成16)年には、利用者無料から100円負担に変更するなど見直しをしてきた。2014(平成26)年度に市負担額が増額、今年度はバス運賃の改定に伴う市負担の増額により、予算事業費2.5億円が見込まれるため、継続するために見直しが必要で、購入冊数を12冊までとし、240円を越える場合は利用者が負担するなど、ふれあいパス新制度案が示された。