小樽望洋台小で認知症フレンドリーキッズ授業

 小樽市立望洋台小学校(望洋台1・古田優子校長)では、朝日新聞厚生文化事業団(大阪市)と朝日新聞社が実施する「認知症フレンドリーキッズ授業」を、11月2日(月)の3・4時間目を活用して6年生43名が参加、認知症についての理解を深めた。

 

 総合的学習の時間の中で初めて認知症について学び、古田校長は「当校では、優しさをキーポイントに取り組んでいるが、その中のひとつとして、支えたり、手助けをしたり、どんな気持ちで接するのが良いか、これからの礎となればと思う。自分はどう歩むべきか感じてもらいたい」と話した。

 

 講師は、同事業団・山本雅彦西日本事業部長が務め、認知症の症状や基本的な知識について語り、認知症の人が見ている世界として、道に迷う・階段を下りるのが怖い・まぼろしを見てしまうという、3つのシーンを再現したバーチャルリアリティー体験をした。

 

 今日学習したことを基に、認知症の人はどんな思いで生きているか、困っている認知症の人に何ができるか、認知症の人が喜ぶ店舗やサービスは何かを考え、「認知症の人は、自分だけ仲間外れにされ寂しい気持ちとなり、話を聞いてあげる」「相談できる施設を作る」など、グループごとに発表があった。

 

 中川真依さんは、「認知症の人は会ったことはないが、困っている人を見つけたら優しく接してあげたい。今日の授業で分かったことは、認知症の人との接し方や症状について、詳しい説明があった」と話した。

 

 この授業では、認知症を正しく理解し偏見をなくし、認知症の人が今まで通りの生活を過ごすために共生することが大事であり、サポートできる子どもたちになってもらいたい思いが込められている。

 

 同事業団は、1923(大正12)年関東大震災を契機に設立され、障がいのある人の福祉の進展や高齢社会の抱える問題、子どもをめぐる様々な課題への対応など、社会的ニーズの高い事業や福祉啓発の活動に積極的に取り組んでいる。

 

 認知症フレンドリーキッズ授業は、2019(平成31)年4月からスタートし、昨年度は11ヶ所で開催され、今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で活動中止となり、再開後、北海道での初開催となった。今後、東京都・福井県・岐阜県での開催を予定している。

 

 ◎朝日新聞厚生文化事業団(外部)