小樽市議会第3回定例会は、9月7日(月)13:00から、自由民主党・高木紀和議員と公明党・松田優子議員の会派代表質問を行った。
高木議員は、市長の政治姿勢や新型コロナウイルス感染症対策とその影響について質問した。
3つの政治姿勢「対話の重視」「経済と生活の好循環」「持続性のあるまちづくり」を、どのように行うか具体的にと質問。
迫市長は、「対話の重視」は、市長と語る会の再開、スクラムミーティングを設置するなど、多くの市民との対話を実施。備えに関しては、津波・高潮時に防災行政無線の整備など、市民生活の安全安心に努めた。
任期の後半は、いまだ感染収束の見通しがたたない、新型コロナウイルス感染症への対応が喫緊の課題であり、医療・検査・救急体制の強化と、観光や雇用をはじめ、大きな影響を受けている市内経済活動の回復の両面を図ることが重要。
北海道新幹線を活用したまちづくり、小樽港第3号埠頭を中心とした再開発、小樽駅前の再開発など、近未来を志向したプロジェクトの道筋をつけたいと考えている。これにより経済と生活の好循環を実現する」と述べた。
感染症対策と検査体制については、1日の最大検査数が保健所で20件、市立病院及び市内3ヶ所の医療機関では、実施可能な検査数は流動的であり、具体的に示せないとした。
抗原定量検査は、市内1ヶ所の医療機関で実施、今後、保健所でも10月中旬から検査できるよう準備をしている。
ビジネス渡航者による陰性証明書については、日本政府から協力要請を受けて、日本渡航医学会に加盟する医療機関で実施しているが、行政検査として実施する場合、証明書を発行する考えはないとした。
ワクチン接種の対象者の把握については、国からの具体的方針は示されていないが、住民基本台帳や業務従事者届出、国が示す推計方法により把握する考え。
医療体制について、医師会・市立病院・保健所をはじめ、市内医療機関で構成する小樽市新型コロナウイルス感染症対策協議会の中で、発生状況に応じて、患者の受入に支障をきたさないようベッド数の確保について協議していく。
夜間急病センターに、今後、発熱外来の設置は必要で、医療機関の協力が必要となり、医師会と相談したい。
インフルエンザと新型コロンウイルスが同時流行した場合には、国の方針に基づき、高齢者のインフルエンザ予防接種の早期接種、新北海道スタイルをはじめとする感染症対策の普及に努め、医師会の協力を得ながら、発熱時に医療機関で適切な検査が受けられるよう医療体制の整備を進めたいとした。
並木病院局長は、市立病院で最初に陽性が確認された看護師について、発熱の報告を受けてから、3日間勤務をした理由について調べたところ、発熱は2日前で、翌日以降は発熱していないことから勤務可能と判断した。その後、2日間の勤務についても体調を確認し、発熱や他の症状がないことから通常の勤務を行った。
院内クラスター発生後の対策については、出勤前日の夜及び出勤前に2回検温、所属長に報告し集計票に記録する。発熱の基準を37度以上に引き下げ、それ以上の発熱が確認された場合は出勤せず、所属長に電話で連絡。症状に応じて受診または療養するよう周知した。
市内経済の影響について飲食店の現状は、少しずつ客足が戻りつつあるが、訪日外国人客はなく、イベント中止・夜の会合の自粛により、長引くことを懸念している。
宿泊施設に現状は、週末の連休・お盆・国のGoToラベルの影響もあり、主要宿泊施設の宿泊数は、対前年比で、5月7%・6月19%・7月33%・8月47%と、徐々に回復しているが、コロナ禍前には及ばず厳しい状況。
今後の支援策については、大きな打撃を受けている中小規模事業者への事業継続の支援や、官民挙げた回復への取り組みが必要で、幅広く消費喚起を図るまるごと小樽プレミアム付き商品券事業や、コロナ禍の収束を見据え、訪日外国人観光客に対応した本市への訪問意欲を促すよう映像化する観光誘致プロモーションビデオ制作事業、雪あかりの路の開催にあわせ飲食店の利用促進を図り、冬期の活性化につなげる冬期イベント開催事業費などを提案した。
松田議員は、支援策の効果や病院経営の影響について質問した。
新型コロナウイルス感染症支援策について、支援策第4弾までの検証では、飲食店事業継続支援事業は、飲食店を中心に甚大な影響があり、家賃を支援し資金繰りの一助になったと考える。
小売業等事業継続支援事業については、申請件数2,000件で、飲食サービス業は見込み数を超え、生活関連サービス業は約80%、小売業は約50%の申請で、生活必需品を購入する機会の多い小売業では、売上要件の30%以上減少に至らなかったことが要因のひとつと考える。
宿泊業事業継続支援事業の申請件数は、業種別に旅館ホテル26件・簡易宿所67件・民泊施設15件となる。未申請の宿泊施設の分析については、電話などにより周知に努め、結果は76件あり、内訳は、重複して算定したもの4件・本市のほかの支援金を受領したもの5件・休廃業したもの28件、理由不明39件。休廃業した18件については、新型コロナウイルス感染症に関連したものではない。
公共交通事業者等支援金は、8月末で対象事業者102件中82件、内訳は、法人事業者14件中9件、個人事業者88件中73件。
離職者支援給付金の支給状況は、8月末時点で、申請97件の内支給決定者数は95件。支給決定者数の男女別の内訳は、男性43名・女性52名、年代別の人数は、20代12名・30代8名・40代23名・50代24名・60代19名・70代9名。
離職前の業種は、飲食業と小売業で合わせて半分以上を占め、生活保護の開始件数は3月から8月末までで12件あった。
市立病院の収益状況として、4月〜7月の入院と外来の収益合計は、患者数減少から、1ヶ月で約1億5千5百万円、4ヶ月で6億2千万円の減収の影響があると試算した。
8月分については、現在集計中で、当月下旬にクラスターが発生したことから、医療を制限しなければならなかったことにより、さらに減収となり危機感を持っている。支援制度を可能な限り活用したいとした。
8日(火)は、立憲・市民連合の面野大輔議員、共産党の高野さくら議員、無所属の中村岩雄議員の代表質問等を予定している。
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