生前の水彩画家の故白江正夫氏の意思により総工費の一部を寄贈し、7〜8月末にかけて、市立小樽美術館(色内1・新明英仁館長)の正面外壁改修工事が行われていた。
同館は、小樽地方貯金局として1952(昭和27)年に、小坂秀雄氏のモデル建築として建てられたもので、1979(昭和54)年に小樽美術館設立期成会が発足し、同分庁舎2階を改装して同年8月19日に同館が開館し、昨年40周年を迎えた。
親族である鶴賀武・京子さん(白江氏妹)が同氏の生前からの意思を汲み、総工費11,737,000円のうち1,000万相当の寄贈を行い、残りを市立小樽美術館協力会が寄贈。
9月3日(木)9:30から、同館研修室で、鶴賀夫妻、迫俊哉市長・小山秀昭副市長・林秀樹教育長らが出席して、小樽市表彰規則による篤志者表彰が行われた。
迫市長は、「すっかり新しくなり、当時に近い形で改修されてありがたい。多くの子どもたちが白江先生にお世話になった」と感謝した。
武さんは、「(白江氏)生前、美術館は画家としての出発点だと常々言い、何か貢献したいと寄附をさせていただいた。建物が綺麗に改修され喜んでいると思う。これからも、小樽の水彩画家さんには、たくさん絵を描いてもらいたい」と話した。
同館改修工事は30年ぶりとなり、外壁の亀裂や窓枠の塗装・傷の修繕を行い、色合いも当時のままに蘇り、改修が済んだ外壁をバックに、出席者全員で記念撮影も行った。
北海道の水彩画界をリードし小樽の画壇を牽引してきた白江正夫画伯は、2014(平成26)年4月に87歳で亡くなってから今年7回忌となり、その業績を偲び、同館2階企画展示室で10月11日(日)まで、特別展「水彩画家 白江正夫からのメッセージ」を開催中。
また、9月16日(水)から同館1階市民・多目的ギャラリーで、同氏の親族が企画した作品展を予定している。
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