北海道の水彩画界をリードし小樽の画壇を牽引した、水彩画家・白江正夫の特別展「水彩画家 白江正夫からのメッセージ」が、8月2日(日)から、市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室で開幕する。
2014(平成26)年4月に87歳で亡くなってから、今年で没後6年7回忌ということもあり、その業績を偲び企画。
同氏の特別展は、生前2回・没後1回開催され、今回4回目となる。同館所蔵と遺族所蔵を合わせ約50点を展示。小樽を拠点に活躍し、この町の行く末を見守り続けた同氏のメッセージを、作品からそれぞれに感じ取ってもらえればと、会場は同氏の作品がずらりと並び、見応えのある特別展。
1927(昭和2)年に礼文島で生まれた同氏は、札幌師範学校を卒業して教員となり、1951(昭和26)年から小樽に移住。市内小中学校で教鞭を執るかたわら、運河や港、廃屋などをモチーフに写実を基盤とした水彩画を発表。
日本水彩画会北海道支部長や道展会員、小樽支展委員や小樽成人学校で講師を務めるなど、水彩画の普及に貢献した。
同氏の自宅から見える風景や港の風景、埋め立て前の運河、本当の冬が描きたい思いから生み出した日本海沿岸の漁夫たちの姿と廃屋、鉄鋼の加工場などを描いた冬の季節シリーズも。
連作の1点が日本水彩画会最高賞の内閣総理大臣賞を受賞し、全国に名を知らしめた。今は無きホテルや銭湯、ぼんやりとした太陽と人物を入れた作品や抽象画などの作品も並ぶ。
星田七重学芸員は、「何気ない場所を絵に残し、ここだと思う場所を描き続けた。作品からは、町の行く末を見守る気持ちが込められている。町の変遷と共に、先生の人生があった。誇り高い小樽を元気づけたいメッセージが聞える」と説明。
開幕を記念して、絵はがきセット(3枚入り)を、先着30名にプレゼントする。なくなり次第終了。
現在、同館は、市立小樽美術館協力会やアーティストの支援と、白江氏の気持ちを酌んだ遺族からの寄附により、33年ぶりに正面玄関の外壁塗装工事が行われている。
特別展「水彩画家 白江正夫からのメッセージ」
8月2日(日)~10月11日(日)9:30~17:00(最終入館16:30)
8/1・9/21を除く月曜日・8/11・12・9/23・24・25休館
入館料:一般600円、高校生・市内70歳以上300円、中学生以下無料
市立小樽美術館(色内1)2階企画展示室
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