夜の舞踏美術館ツアー 新しい芸術鑑賞

 北海道舞踏フェスティバル2020の開催地(小樽・岩見沢・札幌・台湾)で、6月21日(日)に公演トップを切って、市立小樽美術館(色内1)を会場に小樽編「夜の舞踏美術館ツアー色内紀」が行われた。

 同フェスティバルは、2017(平成29)年に、日本が誇る文化遺産の舞踏を北の大地から世界へ発信する、札幌国際舞踏フェスティバルとして立ち上げ、2年目からは北海道舞踏フェスティバルと改名し、小樽をはじめ道内6地域を回遊。3年目は台湾や余市などで開催。4年目となる今回は、芸術作品を観るように舞踏する人体を鑑賞してもらおうと、初の公共施設・美術館を舞台に開催した。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、内容を縮小して観客の人数制限するなど措置をとり、閉館後の美術館をステージに、サックス・馬頭琴・アコーディオンの音楽家による演奏に合わせ、極北会、シブ・プリューゾ氏、田仲ハル氏の3部構成の舞踏公演と、市民ギャラリー2で田仲ハル写真展「鐵を踏む-小樽と舞踏の交わり-」を開催した。

 主催は、北海道コンテンポラリーダンス普及委員会(森嶋拓委員長兼ディレクター)と市立小樽美術館協力会。

 1部は極北会7名が、館内の様々な部屋をステージに舞踏を展開し、魅力を発信した。

 2部は、シブ・プリューゾ氏が市民ギャラリーをスタートし、研修室と前庭に移動して、個性溢れる舞で観客を魅了。

 田仲ハル氏がトリを務める3部は、正面玄関・2階・3階へ観客と共に移動して舞踏を披露。最後はかがり火灯る前庭で、2名のダンサーが加わり、トーチトワリングなどの迫力ある火の舞に、観客は引き寄せられ、新しいスタイルの芸術鑑賞に心打たれた。

 何度もハル氏の舞踏を観ている美術家の上嶋秀俊夫妻は、「美術館のそれぞれの階に移動して色々な踊りが観られ、音楽も興味深かった。最後の火のパフォーマンスは、久しぶりでドキドキしたけれど良かった。ジャンルは違っても小樽に住んで表現に携わる人が、美術館で公演会を開くことは喜ばしい。もっと多くの人に観てもらいたかった」と話した。

 同館市民ギャラリー2で、田仲ハル写真展「鐵を踏む-小樽と舞踏の交わり-」を、6月21日(日)~28日(日)10:00~17:00に開催。22日(月)は休館。

 志佐公道氏・斉藤ミノル氏・Cicaco氏の写真家3名が、小樽を舞台に、素顔ままや舞踏家のハル氏を激写している。

 1976年に「北方舞踏派」が、小樽に拠点を移し活躍していた頃、志佐氏が撮影した貴重な写真や、ハル氏の素顔をモノクロで表現したCicaco氏の作品が並ぶ。タイミングが良ければ、撮影者に話を聞くこともできる。

 ◎北海道舞踏フェスティバル(外部)

 ◎関連記事