夏至の日の部分日食 小樽は雲の中

 1年のうちで昼間が一番長い夏至の6月21日(日)、16:00から18:00にかけ、全国各地で太陽と月が重なり太陽が欠けて見える部分日食が見られた。

 国立天文台(東京三鷹市)によると、夏至の日に日食が見られるのは372年ぶりで、貴重な日となった。

 沖縄では最大80%が欠けて見え、小樽では16:12に始まり、17:00頃に最大29%が欠け、17:45に終わる経過だったが、空一面が雲に覆われ、せっかくの日食を見ることができなかった。

 小樽市総合博物館(手宮1)本館では、屋上で観望会を実施。新型コロナウイルス感染拡大を懸念して、あらかじめ20名限定で募集し、3密に注意を払いながら実施された。

 大鐘卓哉学芸員が講師となり、小樽での部分日食に関して説明。中継された石垣島や名寄での日食の様子を観察しながら楽しんだ。

 太陽を肉眼で直接見ない・色つきの下敷きやサングラス・双眼鏡などでも見ないよう、日食の観察の仕方を注意した。

 ピンポールカメラの原理を利用した穴の開いた調理器具やダンボールなどを使うと安全に観察でき、望遠鏡を使った安全な方法での観察も紹介した。

 これまで小樽で見られた日食は、80%が大きく欠けた2012(平成24)年5月21日や、2019(平成31/令和元)年に1月と12月の年2回見られたものなどがあった。

 次の日食は2030(令和12)年6月1日に北海道ほぼ全域で、見かけ上太陽の中に月がすべて隠れ、リング状に太陽に光が見える金環日食に期待が集まる。

 大鐘学芸員は、「今日は見ることができなかったが、10年後のために学習してください」と説明を続けた。

 小学2年生と4年生の姉妹は両親と参加し、「初めて見る日食を楽しみに来たが、次の日食のために話が聞けて良かった。10年後も楽しみ」と話した。

 ◎国立天文台(外部)

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