文化庁は、2020(令和2)年度日本遺産を新たに21件追加認定し、6月19日(金)に認定結果を発表した。小樽市は、残念ながら認定を逃がす結果となった。
日本遺産は、地域の歴史的魅力や特色を通じて文化・伝統を語る「ストーリー」を文化庁が認定し、地域の観光振興に繋げる取り組みとして、2015(平成27)年度からスタートした。
当初の5月中旬の発表が延期となっていたが、最後の認定には、全国から69件のストーリー申請があり本日の発表となった。100件ほどの認定の見込みが、今回の21件を合わせ104件となった。
北海道からは、小樽を含む3件の申請のうち、標津町・室蘭市・別海町・羅臼町が申請した「鮭の聖地」の物語~根室海峡一万年の道程~が認定された。
小樽では、小林多喜二が小樽を心臓と表したことから、ストリートタイトル“北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽~「民の力」で創られた甦った北の商都~”。
小樽運河や旧青山別邸、松前神楽など37件を構成文化財に、明治以降、港と鉄道により物資と人が押し寄せ、巨大な番屋や石造りの倉庫が立ち並んだ。明治後期には、大手銀行や商社の支店が並び商都に飛躍。昭和後期には、運河を守り、浪漫溢れる建物と町並み、文化と観光の心臓に生まれ変わり、国内外から訪れる人々を魅了している。
市産業港湾部日本遺産担当主管の田中洋之さんは、「残念な結果となったが、タイトルも内容も壮大で素晴らしい。文化庁の日本遺産認定に関係なく、小樽文化遺産に変わりはない。地域の観光振興の活性化に繋げたい」と意欲を示していた。
小樽では、2018(平成30)年5月24日に、“荒波を越えた男たちの夢を紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落”に追加認定され、2019(令和元)年5月20日に、本邦国策を北海道に観よ!~北の産業革命「炭鉄港」~が認定されている。