2020(令和2)年第2回定例会の会派代表質問第1日目が、6月15日(月)13:00から新型コロナウイルス感染症対策を講じた議場で開かれ、自由民主党・松岩一輝議員と、日本共産党・丸山晴美議員が質問に立った。
松岩議員は、新型コロナウイルス感染症対策や国際交流、小樽看護専門学校の閉校について、学習の遅れた行事について質問。
並木昭義病院局長は、感染症指定医療機関の小樽市立病院について、「今後の対策として、国の交付金を活用し、病棟の一部または全部を隔離する空気感染隔離ユニットの配置や簡易陽圧ユニットの増設、今月12日からは、発熱者を感知するサーモグラフィーを正面玄関に設置し、発熱のある来院患者を入口部分で病状を把握し、院内感染の防止対策を強化した。
感染患者に係る医療従事者は、感染リスクの不安を抱えながら、日々業務に取り組んでいるため、労働環境の改善や心理的精神的不安の軽減を図るよう、引き続き取り組む」と述べた。
2023(令和5)年3月末で閉校を決めた小樽看護専門学校の閉校について、看護人材への影響や看護の道を諦める人や町の活力の低下に繋がるとの質問に、迫市長は、「看護人材の養成のため重要な役割を果たしており、閉校となることは、地域医療にとって大きな問題である。
看護師を目指す人の進学先が限られ、若い世代の人口減に繋がり、存続に向けた取り組みが必要。運営する法人への聞き取りや関係機関に向けて、積極的に取り組む」と意向を示した。
小中学校の長期休業による学習の遅れについて、林教育長は、「子どもたちの学びの保障に向けての取り組みは、学習保障等に必要な人的体制の整備として、教員の加配のほか、学習内容の定着が充分でない児童生徒に対しては、放課後などを活用して授業等を行う学習指導員や、学級担任等の授業をサポートするスクールサポートスタッフの追加配置について示し、教育環境の更なる充実を図る。
学校行事については、感染リスクのある行事については、1学期中に実施を見合わせ、2学期以降については、感染症対策に万全を期す必要があり、主な行事については、実施内容や方法を工夫して各学校で実施を検討するよう指導。宿泊を伴う行事の実施は、道教委からの通知を踏まえ、感染症対策に徹底に努めた上で実施するよう指導する」と答弁した。
保健医療体制についての丸山議員の質問で、並木病院局長は、「病床確保による減収について、感染増大のリスクを考えると、病棟単位で入院患者の制限を行う必要があり、2つの病棟全体で60床の一般病床を使用制限した。これらの対応により、4月の1ヶ月間の入院収入は約1億円の減収と試算し、この状況を道に報告。今回の病床確保は、2次感染に対する医療機関の責務として、患者受入れに備えたもので、適切な支援を国に求める」とした。
また、仮称・北海道小樽余市風力発電所について、配慮書の説明会を実施できるまで方法書を作ることを中断するよう事業者に申し入れ、配慮書の説明会を実施させるべきと見解を求めた。
同発電所は、小樽から余市にかけての山間部(面積約1443.9ha)に風力発電27基(想定1基4,300kw・最大約116,100kw・高さ150m)の大規模な風力発電所を、2024(令和6)年3月に着工し、2027(令和9)年12月に試運転、2029(令和11)年3月に運転開始を予定している計画。
迫市長は、「環境影響評価の配慮書の印刷については、著作権の関係から印刷やダウンロードができない設定になっている。閲覧を希望する人々から不満の声が寄せられて、市としては、環境影響評価法に基づく、知事への意見書を通じて、事業者に対して印刷やダウンロードを可能な状態にするなど、利便性の向上に努めるよう要請した。
配慮書の説明会については、環境影響評価の手続きにおいては、配慮書段階での住民説明会の義務付けはないが、市としても当初から全市民を対象とした説明会は必要と考え、事業者には再三に渡り開催を要請してきたところ。
事業者からは、地元町内会において役員会への説明会を実施し、市全体への説明会は実施しない旨の回答があり、方法書の作成の中断を申し入れるところまでは考えていないが、丁寧な説明を要請したい。広い範囲での伐採が想定されることから、自然環境や生態系、景観などへの影響を心配しているところ。市として必要な意見を述べていきたい」と答弁した。
6月16日(火)は13:00から、会派代表質問2日目を予定している。