1869(明治元)年、北前船の航海と安全と里の平安を願い創建された小樽総鎮守・住吉神社(住ノ江2・星野昭雄宮司)は、2016(平成28)年10月から進めてきた鎮座150年の記念事業の総括となる、副参道に33基の鳥居を建立し、4月24日(金・大安)に完成した。
同日14:00から当神社社殿で、星野宮司と川畑権禰宜による奉賛鳥居渡り初め奉告祭が行われ、奉賛者27名が出席して祝詞奏上や玉櫛奉天などが執り行われた。
朱色の鳥居柱には、奉賛願主名とそれぞれの願い事「家内安全」・「商売繁盛」などの文字が刻印されている。
2018(平成30)年に鎮座150年を迎えた同神社では、3ヶ所ある参道階段の勾配を緩やかにし、階段の一部をロードヒーティングに、社殿内外柱壁塗り替え、社殿内床張替え、先人顕彰などの記念事業を無事に完遂した。
境内には、先人たちが里の平安を祈り続け、小樽で生きた証として残した鳥居灯篭があり、令和となって、先人たちの気概を後世に引き継ぐひとつとして、昨年6月から、副参道に鳥居を建立し参道を創りたいと限定30基を募り、今年1月末に完納。
既存1基と新規32基の合計33基の鳥居(高さ2m40cm)が、社務所包丁塚から手水舎前までずらりと並んでいる。
払いの色の朱色は、命が甦ることを意味し、30年間維持保管できるよう素材を檜にした。
また、感染拡大している新型コロナウイルス(悪疫)を払う意味を込めて、鳥居の入口と出口に茅の輪を設置した。茅の輪は、GWが終わるまで設置予定だ。
渡り初め後は、一般公開し誰でも通ることができ、参拝順路は、社務所側から手水舎に向かう坂道を上る一方通行とした。
星野宮司は、「平安時代より桃や桜の花が咲く頃、疫病が流行ると言われ、鎮遏(ちんあつ)する鎮花祭や6月の夏越大祓式にちなみ、茅の輪を置いて悪疫退散を願った。鎮座100年にできなかった未完の事業を行おうと取り組み、やっと、先人たちとの約束を果たせた気持ちが大きい」と話した。
氏子の三ツ野篤久氏は、“神恩感謝”の文字を刻み、「感謝の思いを込めた」と話した。
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