小樽市は、平成31年度小樽市新技術及び新製品開発助成事業で、有限会社熊谷テント製作所(祝津2・熊谷嘉行代表取締役)の蓄光素材を用いたクッション材の開発及び商品化を指定事業に選び、3月26日(木)10:00から、市役所(花園2)2階市長応接室で助成事業指定書交付式を行った。
中小企業振興施策のひとつとして、地域産業の振興に寄与する新技術や新製品の開発を行った際に、その開発費の一部(上限30万円)を助成する取り組みを1979(昭和54)年から続けている。2018(平成30)年度は該当企業がなく、2年ぶりの交付となった。
迫俊哉市長は、熊谷代表取締役へ助成事業指定書(表彰楯)を交付し、同席した後継者の匡紘氏を見て、「まちづくりの大きな課題は事業の継承で、後継者がいることは、小樽市にとっても心強い。ものづくり産業が中小企業を支え、今後も伝統的技能を継承してもらいたい」と話した。
同社は、帆布製品製造業で60年以上地域産業を支え、これまでもテント生地を活用した商品開発に取り組んできた。
東日本大震災等の災害時の停電を機に、テント素材の安全性や耐久性に着目し、2014(平成26)年頃から、蓄光素材を用いたクッション材の開発を始め、テント生地と蓄光素材を独自の加工を施し組み合わせた手すり用クッション材を製造。
階段の手すりなどに付けると、暗所で1~2時間ほど光って傾斜の状態が分かる。ドアノブにも活用でき、形状や大きな・色等はオーダーメイドで対応。
熊谷代表取締役は、「視点を変えて、弊社ならではのできることと新しい素材を合体させ、防災に繋がればと考案した。会社のHPにも掲載し、営業にも力を入れていきたい」と抱負を語った。
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