2020(令和2)年3月末をもって閉校する北海道小樽商業高等学校(緑3)の閉校記念式典が、11月9日(土)13:30から本校体育館で開かれ、在校生69名・PTA・現職員、来賓・同窓生・旧職員の約320名が出席した。
1913(大正2)年4月1日に開校した同校は、幾度となく校名を変更。卒業生は2万8千人を越え、有能な人材として各地で活躍している。
2013(平成25)年に創立100周年を迎えたが、人口減少の影響もあり、2014(平成26)年に定時制課程が閉課。2015(平成27)年には、2018(平成30)年度全日制入学生募集停止を決定。2020(令和2)年3月、69名の最後の卒業生を送り出し106年の歴史に幕を下ろす。
泉田正弘校長は、「日一日と閉校が近づくにつれ、寂しさが溢れている。本校学舎のランプが消えても、本校が煌めき輝いた歴史と伝統は絶えることなく、同窓生をはじめ、皆さんの中で生き続け、再編統合に至った小樽未来創造高校に、本校が培った商業教育が新しい形で継承されることと確信している」と式辞を述べた。
迫俊哉市長は、「思い出深い母校の閉校に、同窓生の皆さんの胸の内は、いかばかりかと拝察している。今後この校舎は、北海道教育委員会から譲り受け、海上技術短期学校として有効に活用させてもらう。小樽の時代を担う若者たちが、夢を描き大きく成長できるよう、今後とも支援をお願いしたい」と挨拶した。
歴代校長や歴代PTA、歴代尊商会会長、閉校事業協賛会長へ感謝状が贈呈された。
生徒会長・佐藤絵梨衣さんに変わり、宗山昂平さんが惜別の言葉を代読し、「残念ながら幕を下ろす私たちの学校ではあるが、これで終わりだとは思わない。ここで生まれた歴史と伝統は、大勢の先輩方が106年間ひとつひとつ残してきた足跡であり、私たちは、北海道庁立小樽商業高校、北海道小樽緑陵高等学校以来の精神を受け継ぐことができた。四恩の下で学んだ日々と沢山の思い出を胸に、私たち自身の人生を精一杯に生き、社会で活躍することで、同校の卒業生としての誇りを示し、足跡を残していきたいと思う」と述べた。
35期卒業86歳の男性は、「兄弟や義理の兄弟、姪っ子や孫までが同校で卒業している。小樽で生まれ小樽で育ち、転勤もせずに小樽で過ごしてきた。未だに閉校する理由が分からない。思い出はずっと残る」と、寂しさを隠せない様子。
56期卒業の女性は、「50年ぶりに校歌を一生懸命に歌い、懐かしく、素晴らしい校歌だと改めて思った。両親もこの学校を卒業した」と話した。
展示室では、過去のアルバムや制帽、制服も展示され、多くの卒業生が昔を懐かしみ、閉校を惜しむ声が聞こえた。17:00から、グランドパーク小樽で惜別の会が行われた。
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