小樽市総合博物館運河館(色内2)第1展示室で、9月28日(土)~2020(令和2)年1月9日(木)に、運河館トピック展が開かれて、同館・櫻井美香学芸員が担当する今回は、「小樽のヒカリゴケとコケの世界」を紹介している。
光を反射して黄緑色に輝く珍しいヒカリゴケや、名前に「オタル・otaru」と付けられたコケ、市内で見かける身近なコケを紹介し魅力を伝えている。
国内に約1,700種類あるといわれるコケは、小樽でも、山中や身近な軒先、花壇の中などに生息。小樽で見つかりやすいコケと題して、5年越しで集めた7種類を写真で展示。ジャゴケは、雌株と雄株も紹介している。
1946(昭和21)年8月、小樽潮陵高校の生徒だった伊藤公夫さんが、岩盤の標高200m付近のくぼみで光る植物を発見。同校の理科教師だった松木光治さんを通じて、北海道大学の宮部金吾さんに鑑定してもらったところ「ヒカリゴケ」であることが分かり、松木さんは標本として残し、10年後に公表していた。
70年もの月日が過ぎ、3年前、市民から櫻井学芸員に、ヒカリゴケを見たとの情報提供があり、動画に収めることに成功。動画には、エメラルド色に輝くコケがはっきりと捉えられ、パネルで光る仕組みも解説している。
ヒカリゴケ科ヒカリゴケ属で、日本では北海道と本州の中部地方以北に分布。山地の洞窟や岩の隙間、倒木の陰などに生息。環境省レッドリストの準絶滅危惧種。長野県・埼玉県・東京都の生息地は、国指定の天然記念物。
櫻井学芸員は、「足元を見るとコケがある。日向と日陰のコケの種類の違いや、胞子が見られる時期に見つけると面白い」と来場を呼びかけた。
10月13日(日)と11月10日(日)の11:00~11:45に、ギャラリートークを開催。櫻井学芸員による展示解説と運河館中庭に生えているコケを観察する予定。
トピック展「ヒカリゴケと小樽のコケの世界」
9月28日(土)~2020年1月9日(木)9:30~17:00
総合博物館運河館(色内2) 休館日なし
入館料:一般300円、高校生・市内70歳以上150円、中学生以下無料