小樽在住の抽象画家・坂東眞琴さんの初めての個展が、コミュニティカフェ手宮次郎(手宮2・旧手宮線沿い)で、9月22日(日)から30日(月)まで開催されている。
何の変哲もないボールペンを使って水彩紙に、下書きも方向性もなく描かれれた大小30点の作品は、すべて原画で一点もの。5年ほど前からこれまでに描かれた作品を発表している。
決まったパターンを繰り返し描く「ゼンタングル技法」を独自に改良したヒーリングアートで、心が無心になれるという。
自由に見て感じてもらおうと、作品にはあえて題名を付けず、来場者に感じたままの題名を沢山つけてもらいたいそうだ。
坂東さんの作品の一部をプリントしぬり絵として楽しむこともでき、作品は会場に展示されている。
小樽生まれの坂東さんは、手宮線側で蒸気機関車の煙や音を聞きながら育ち、10代で描画活動を開始。工芸美術科を専攻し、画家の国松登氏や彫刻家の国松明日香氏、阿部典英氏から学ぶ。しばらく絵から離れていたが、5年前の病気をきっかけにボールペン画を描き始めた。
テーマは特になく、太さが異なる数本のボールペンを使い、その時々に出てくる線を繋ぎ作品が生まれる。
「精神的に苦しくて、逃れたい気持ちがあったのかもしれない」と、作品作りを始めた当時を振り返る。
作品は、どれも精密に描かれ、植物や昆虫、布地の模様にも見え、複雑に絡まり、作品を手に取り上下左右どう見ても自由だ。
チラシに使った作品は、ボールペン画のほぼ最初のもので、いろいろなことが始まった作品でもあり、努力して生きていくことを教わり支えになったという。形が出てこなくて作品作りができない時もあったという。
手宮線の花壇作りにも参加し、手宮線が繋いだ縁で、会場となる同店の斉藤リカさんと出会い、いろいろな人の協力で個展を開催することができた。
個展を開いてみて作品の幅が広がった。色の付いた紙に描いたり、色を入れてみたりと変化している。
坂東さんは、「絵を受け入れてくれる人が沢山増えて嬉しい。観るだけでなく、ぬり絵や絵に触れて身近に感じてもらいたい」と来場を呼びかけた。
題名がないボールペン画作品展 9月22日(日)~30日(月)11:00~17:00
手宮次郎(手宮2・旧手宮線沿い) 入場無料