北前船とゆかりの深い石川県加賀市の小学生30名が、新日本海フェリー「らべんだあ号」に乗船して、小樽の子どもたちとの交流会や文化・歴史を学ぶ「北前船子ども洋上セミナー下り船編」を2泊3日の日程で開く。
小樽市は、平成30(2018)年5月に、北前船の日本遺産ストーリー「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間〜北前船寄港地・船主集落〜」に追加認定された。運河周辺に残る倉庫5つのうち、4つが加賀市の北前船主が作った倉庫だったことで、加賀市とは深い関係にあったことが分かる。
小樽市と加賀市は、北前船の交易を通じてお互いに発展した歴史があり、両市の交流を深め、お互いに文化・観光の発展に資することを目的に、下り船編として、北前船の航路を辿り、船乗りがかつて見た風景を見たり、歴史や文化を学習するため、同セミナー小樽実行委員会(西條文雪会長)を立ち上げ、北前船に関連した企画を用意。
船内では、北前船の歴史や両市の結びつき、伝えられた文化についてセミナーを開き、7月25日(金)小樽到着後は、小樽市総合博物館で歓迎会を実施し、加賀市長からの親書を子どもたちを通じて伝達。
鰊を食べる食文化が無い加賀市の子どもたちに、北前船に深い関りのある鰊を食べてもらおうと、たなげ会の協力で、茨木家中出張り番屋で鰊料理を提供する。
かつての問屋街だった堺町通りにあるオルゴール堂で、小樽案内人ジュニアの手宮中央小学校6年生の男女14名との交流会を開く。両市の町自慢を行い、オルゴール制作後に、同通りを散策する。
潮まつり開会式に参加して、事前に練習済みの潮音頭で踊りの輪に加わり、花火見物も。小樽自然の村に宿泊し、加賀市出身の中谷宇吉郎碑を見学し、空路で帰郷。
全国北前船研究会会長が一行の団長を務めており、1999(平成11)年に、福井県や石川県の有志が集まって立ち上げた同研究会は、北前船の歴史や文化を広く普及啓発する講座やセミナーを開いている。
今回の同セミナー定員28名に対して180名の応募があり、抽選で30名に決めたほど、北前船の関心の高さが伺える。
同実行委員会関係者は、「加賀市とは、歴史的ゆかりだけではなく、温泉スポットでもあり、観光としても繋げていきたい」と期待を寄せた。
来年は、上り船編として、小樽の子どもたちが加賀市を訪問する相互交流事業も企画している。
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