北海道小樽高等支援学校(銭函・松浦孝寿校長)は、7月19日(金)9:30から、同校2階体育館で、株式会社植松電気・植松努代表取締役を招き、ロケット教室を開いた。
昨年7月に開講10周年を記念し、植松氏が講師を務めた「“どうせ無理”をなくしたい!!」の講演会を実施。今回は、全校生徒約150人が参加して、ロケット製作に取り組んだ。
会場には、教職員をはじめ、保護者・地域住民・近隣小学校校長らが、その様子を見守った。公益社団法人全日本不動産協会北海道本部が共催。
植松氏とスタッフ1名が指導し、同社就労継続支援A型事業所Uni Zoneから職員・利用者16名がサポートした。
ロケット製作に先立ち、講演会が開かれ、植松氏は、「人の自信と可能性が奪われない社会、いろいろな人が活躍できる社会を作りたいが、いじめも虐待も暴力も無くならない。だから、僕は仲間がほしい。みんなが力を貸してくれると嬉しい。“だったら、こうしてみたら?”と考えることで、“どうせ無理”に負けない鋼の心になる」とメッセージを贈った。
「失敗を恐れずに分からないことは恥ずかしいことではない。勇気を出して助け合って」と励まし、6人ずつのグループに分かれて、モデルロケットキットを使用し、時速200kmで飛ぶパラシュート内臓のロケットの製作に取り掛かった。
説明書を見ながら組み立て、失敗した場合や不安になった場合には手を挙げると、植松氏が笑顔で対応した。
ロケット胴体には文字や好きな絵が描け、生徒たちは、炎や蔦・標識・名前などを施して、個性溢れるオリジナルロケットを完成させた。
男子生徒は、「ペットボトルのロケットはあるが、ちゃんとしたロケットは初めて。形式や自分の名前を入れ、あえて0号にした」と完成を喜んだ。
グランドに移動して、注意事項の説明後、ロケットにエンジンを詰め、発射台にセット。安全確認後、カウントダウンでスイッチを押し、勢い良く空へ飛び上がるロケットに、歓声が沸き起こった。
空高く飛んだロケットからパラシュートが出ると、生徒は走ってロケットを受け止め、みんな笑顔になった。
生徒会長は、「自分たちでロケットを作ると聞いて驚いた。楽しそうだと思ったと同時に、しっかり飛ばせるのか不安になった。作る際、難しくて手が止まることもあったが、グループ内の人たちとも協力して取り組むことができた。これからも夢や目標のためにがんばりたいと思う」と、感謝の言葉を述べた。
松浦校長は、「大きな学びの機会をありがとう。学びとは変化だと思う。ロケットを飛ばす前の自分と、飛ばした後の自分とは違うと思う。それが学び」と、貴重な体験に感謝した。
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