小樽写真研究会(浅賀正生代表世話人)の年に1度の発表の場「堂堂展」が、7月10日(水)から15日(月)まで、市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリーで開かれている。
上手いも下手も抜きにして、堂堂と発表しようという気持ちから、「堂堂展」と名付け、1人1人の個性を生かした展示スタイルも見所のひとつ。
同会は、1989(平成元)年に10名で結成し、2003(平成15)年から「Deep奥沢」がスタート。小樽の地区をテーマに決め、会員独自の視点で撮影した路地裏等の小樽を発表。楽しみにしているファンも多い。
今回は、東京・札幌・美唄・小樽在住男女11人の写真家が、2つの部門で発表し合い、自由部門は、それぞれの視点で撮影に挑み、プリントから展示まで個々に行い、10人の個展ような写真展を展開中。
一方、企画部門は、変わりゆく小樽の町を深く掘り下げて向き合う「Deep 張碓・銭函・見晴・星野・桂岡・春香」に11人が参加し、両部門合わせて538枚が一同に展示され見応えがある。
宮崎裕幸さんは、今年に入ってから市内中心部を撮影し、小樽の町の昔と変わらないところや変わってしまったところを、4枚ずつ組み合わせて発表。花園繁華街の中にうっそうと茂るフキを見つけ、フキ藪に入る近所の住民の姿を捉えた。
中野植物園の樹齢100年近い黒龍藤の大木に目をつけた神田泰行さん、昨年から参加したMIKA SAITOさんは、台湾で撮影した作品を発表。
フィルム写真で発表を続ける佐藤通晃さんは、なえぼ公園で見つけた木々に刻まれた文字を9枚に撮影。季節を変えて冬や夏にも撮影に出かけ、木の成長とともに消えることのない年号や人の名前などから想像力が描き立てられるという。
佐々木郁夫さんは、20代の前半、祖母の出身地でもある正月過ぎの津軽や函館の写真(1975~2003年)。知らない場所でも懐かしいと感じる風景が広がり、会ったことのない人物もどこか不思議と懐かしい。
志佐公道さんのDeep作品は、銭函界隈の海から山まで、祭りや駅、建物など隅々まで撮影した町の表情124点。
佐藤さんは、「自由作品は、それぞれの個性を生かし、こだわりが見られる。昔と今も作者の心が繋がり、生きている自分を表現している。企画展のDeepは、楽しみでもあり集大成。小樽の記憶を呼び起こす1つの材料となる。この機会にぜひ観ていただきたい」と、来場を呼びかけた。
同会結成30年を記念し、小樽文学館企画展「Deep小樽展 写真を読む」を、8月24日(土)~9月29日(日)に、同館(色内1)企画展示室で開催予定。
小樽写真研究会堂堂展vol.28
7月10日(水)~15日(月)10:00~19:00(最終日16:00)
市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリー 入場無料
◎関連記事