中・韓パンフレット制作! 文学館と商大が連携

 市立小樽文学館(玉川薫館長)は、小樽ゆかりの文学者を紹介し入館料金や交通手段等の情報を盛り込んだパンフレットを、中国語(簡体字版・繁体字版)A4サイズ・韓国語版B5サイズの3種類制作、今年3月末に各5,000部が完成。6月19日(水)10:30から市役所(花園2)2階記者室で発表した。
 同館・亀井志乃学芸員によると、近年外国人観光客が多く来館するが、美術館よりも文学館への来館者が少ないことが課題となり、外国語パンフレットが必要であると考えたのが制作の経緯だという。
 2017(平成29)年秋の文学館協議会(館長の諮問機関)で、委員でもある小樽商科大学・江頭副学長から、同大が協力できないかとの提案があった。
 同大と同市は、連携協定を締結していることからも、作成へ向けて作業がスタートし、制作経費は「小樽商科大学グローカルプロジェクト」予算を活用。
 
 中国語版は、同大で中国語講座を担当している言語センター嘉瀬達男教授と同・章天明准教授・履修学生14名・中国人留学生4名が協力。
 2016(平成28)年に亀井学芸員が試行的に制作した、手刷りの英語版パンフレットを日本語に翻訳したものを基に、2018(平成30)年1月頃に打合せ、同年5月頃から、留学生や学生らが手分けしてレイアウトや翻訳を行い、教授らが手直した。
 パンフレットには、小樽ゆかりの代表的な作家や詩人について紹介され、最初に日本の歌人の石川啄木の生涯と代表作品をあわせて紹介。
 小樽出身の小説家で経済学者の早川三代治、プロレタリア文学者の小林多喜二、その他、短歌や詩人等、名の知れた文学者を紹介している。
 活動を通じ学生の中国語能力を向上させ、小樽の文学・文学者と中国語・中国語圏とのかかわりについての理解も深めた。
 小樽の町や同館の成り立ちについて紹介した表紙担当の吉田瑞希さん(20)は、「長い日本語を中国語に直す中で、分からない言葉も多く大変だったが、完成できて嬉しい。みんなで作った物が一冊になり、達成感はある。学んだ中国語が役立つ初めての機会となり、中国語を学んで良かったと思う」と話した。
 嘉瀬教授は、「多くの資料がある文学館。いくらか役に立つことができ、喜んでいる。これを機会に、文学館の来館者が増えれば」と期待を寄せている。
 一方、韓国語版については、言語センター・李賢晙准教授が中心となり学生18名が協力。
 パンフレットは、文学館に4,000部、同大に1,000部を分担し、文学館受付で、希望者を係まで案内している。