文化庁は、2019(令和元)年度の日本遺産に、小樽や赤平市、室蘭市など12の市町で構成する「本邦国策を北海道に観よ!~北の産業革命”炭鉄港”」を含む16件を新たに認定し、5月20日(月)東京で認定証交付式が行われた。
昨年7月に、日本遺産認定に向けて、12市町、各観光協会、各商工会議所、空知・胆振・後志総合振興局、その他関係団体などで、炭鉄港推進協議会を設立し、今年1月に文化庁に申請していた。申請書(PDF)
認定を受けて迫俊哉小樽市長は、「誠に喜ばしく、光栄に思っております。今後、他の11市町などと連携し、地域活性化に向け、積極的に取り組んでまいります」とコメントした。
文化庁は、2015(平成27)年から、地域の歴史や特色を通じて、日本の文化伝統を語るストーリーを「日本遺産」として認定する取り組みをはじめ、今年度は、全国から72件の申請のうち、16件を認定。累計83件、道内からは4件目。2020(令和2)年までに100件を認定する。
ストーリーの概要は、空知で石炭が発見され、それを運ぶ為に鉄道が敷かれ、港が整備され、その後、室蘭で鉄鋼の工場ができた。
空知の炭鉱の「炭」、室蘭の鉄鋼の「鉄」、小樽の港湾の「港」で、「炭鉄港」とした。
100km圏内に位置するこの3つの地域は、北海道を急成長させた原動力となり、北海道の人口が約100年で100倍と急成長を遂げた。これらのストーリーは、北海道の新しい魅力として、訪れる人に深い感慨と新たな価値観をもたらす。
小樽市の構成文化財は、小樽港北防波堤・北炭ローダー基礎・色内銀行街(旧三井物産及び三菱商事小樽支店)・手宮線跡及び附属施設・旧手宮鉄道施設(国指定重要文化財)・小樽中央市場。
日本遺産の認定の審査では、興味深さ・地域性などや、将来の構想を含めた内容が評価された。
北海道総合戦略に位置づけされている炭鉄港は、「産業遺産(炭・鉄・港)の保存・活用による交流人口の拡大」のため、空知・後志・胆振地域が連携して施策に取り組んでいる。
今後、シンポジウムなどを企画し、普及啓発等に取り組む予定。
小樽市は、平成30(2018)年5月に、北前船の日本遺産ストーリー「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」に追加認定された。
今回認定の複数の市町村が集まるシリアル型の日本遺産に対して、来年1月に申請する単独での地域型日本遺産認定に向け、準備を進めている。
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