2018(平成30)年4月1日から、小樽市手話言語条例が施行され、手話の理解を深め、あらゆる場面で自由に手話が使える地域社会が求められている。
そこで、小中学生にも、手話とはどんなものか知ってもらおうと、2月23日(土)13:00から、市立図書館(花園5)2階視聴覚室を会場に、手話教室が開かれた。5歳から小学生までの11名と保護者6名の計17名が参加。
講師は、小樽ろうあ協会の米谷正会長が務め、福祉部障害福祉課職員が同時通訳した。
日本の人口約1億2,500万人のうち、身体障害者は360万人。ろうあ者は、見ただけでは障害が分かりづらいため、苦労も多いという。
米谷会長は、5歳の時に熱を出し、熱を下げる注射の副作用で耳が聞こえなくなった自らの経験から、日常生活で困ることや失敗談を語った。また、ろうあ者に挨拶をする時は、目を見て挨拶するようにと伝えた。
音が聞こえないため、目覚まし時計は、枕の下に入れて振動で知らせるものを使い、電話のベルが聞こえないため、音の代わりにFAXやスマートフォンを活用。
また、外出時には、車や自転車の接近に気つかないことや、電車の車内放送が聞こえないことで、不便が多いことを伝えた。
休憩をはさみ、手話の実技を体験。手話は見る言葉で、バスケットボールや卓球、バレー、バトミントンは、ボールの形や動きで表し、ハガキやテレビ、飛行機、オートバイなど、物の形や動きで表現した。
参加した児童は、次々出される問題に積極的に答え、違いを見つけては身振り手振りで表現し、楽しみながら手話の理解を深めた。
最後に、「もっと学校で手話を指導して、みんなで手話ができるようになれば」と切望した。
小川神威君(小2)は、「表現することはなんとなくできた。今日は勉強になった。手話を覚えて、耳が聞こえない人と話をしたい」と感想を述べ、妹のちひろさん(5歳)は、「少し分かった」と話した。
小野寺正裕課長は、「皆さん、明るく元気に参加し、手話に興味を持ってもらえればと思う。新年度から市内小中学校の授業でも、手話を取り組んでもらえるよう要望する予定で、それに先立ち、手話教室を開いた」と話した。
なお、2月末まで、同館2階スペースには、ろうあ者について、聞こえないってどんなことか、ろうあ運動やろうあ教育の歴史、手話に関する本を展示し、希望者には貸出も行っている。
◎小樽市手話言語条例
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