ミュージカル"あらしのよるに" 劇団さっぽろ


 人気絵本「あらしのよるに」ミュージカル版・劇団さっぽろ(西村善孝代表取締役社長・脚本・演出)の公演会が、2月3日(日)14:00から小樽市公会堂(花園5)大ホールで開催され、約70名が楽しんだ。おたる子ども劇場(杉原優子代表)と同劇団が主催。
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 同絵本は、1994(平成6)年初版(原作きむらゆういち・絵あべ 弘士)の人気絵本。ヤギのメイとオオカミのカブは、嵐の夜、避難した山小屋で出会い、お互いの正体を知らないまま語り合い友達に。”あらしのよるに”を合言葉に再会を約束し、仲良くなれないはずの2人に友情が芽生えるストーリー。
 1959(昭和34)年4月12日に発足した同劇団は、北海道を基点に、学校公演や一般公演を各地で開催。西村氏が脚本と演出を担当。原作絵本や映画にも書かれていない設定を盛り込み、「あらしのよるに」の特別編「しろいやみのはてで」では、メイとカブがお互いを信じて雪山を越えようとする時の真実の気持ちが綴られているのに注目し、原作者の木村氏から許可をもらい、劇の台詞にそのまま使用。
 オオカミの幹部バリーが男の子のオオカミカブを問い詰めるシーンには、小樽のロックバンド「スターレスNEO」のボーカリスト雷神小俣さんの「吠桜hoezakura」の曲や、札幌で活躍する作曲家にも提供してもらい、ミュージカル楽曲を構成。
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 子どもから大人まで、ストーリーの展開にワクワクしながら観劇を楽しみ、出演者に大きな拍手が贈られていた。
 小6の男子は、「なだれに巻き込まれ、記憶を取り戻す所が印象に残っている」と話し、樋口穹さん(小1)は、「一番前で観た。最後の一緒に月を見る場面が好き」と話し、母親は、「子どもにどうしても観たいと言われ、大人も泣けてしまうシーンが何箇所かあり、迫真な演技に感動した」と親子で楽しんだ様子。
 桜陽高校演劇部部長・泉谷駿介さん(高2)は、「物語の内容は知っているが、特別編で新鮮だった。これからの演劇の参考にしたい」と話した。
 同部・乾希純さん(高1)は、「原作を知らなかったが、心に来た。面白かった」と、同部・渡部萌さん(高1)は、「児童劇なので、子ども達に分かりやすく演じていると思ったが、内容が濃く、劇を通じて命の尊さや食物連鎖について考えさせられた」と感想を話した。
 劇団さっぽろ
 おたる子ども劇場
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