日本銀行旧小樽支店金融資料館(色内1)は、1月25日(金)から常設展示の一部をリニューアルした。
辰野金吾と長野宇平治らによって建設された、日本銀行旧小樽支店の建物の装飾や屋根・壁のつくりについて応接室だった場所に、パネルや写真・現物を展示し詳しく紹介している。
辰野金吾と師弟関係にあった長野宇平治が、小樽支店の実質的な設計を担い、同時期に、旧北海道銀行(現小樽バイン)も手がけている。大阪支店や数々の銀行建築にも携わった。
同小樽支店の特徴となる建物の装飾を、外装と内装に分けて紹介。外装では、屋根廻りの望楼屋根や中ドーム・小ドーム、軒下飾りのデンティルは、2012年の改修工事時の銅板と現在の強化樹脂のものを展示。
ふくろうをモチーフにしているレリーフとキャピタル(柱頭)も紹介している。
内装は大理石を使用したカウンター、床には、明治初期からイギリス輸入のアスファルトを使用している。回廊と柱や内部の壁面・天井などには装飾が施されている。
屋根のつくりにも特徴があり、鉄骨トラス(三角形を単位とした構造骨組の一種)の小屋根は、日銀支店建築の中で初めて採用され、初期の国産鉄骨(八幡製鉄所製)が使われた。
屋根や床にも、防火のためのコンクリートを使用。屋根には軽いものを使用。望楼の屋根材(銅板)も、間近で見ることができる。
イギリス積のレンガ造りで、石造り風に見せるためモルタルを仕上げに塗っているのが、当時の最先端技術で、日銀支店では初となり、その後、福島支店でも使われた。内壁のレンガの表面には漆喰が4層塗ってあり、その部分を断面で紹介。刻印があるレンガも展示中。
日本銀行金融研究所貨幣博物館・関口かをり学芸員は、「舞台裏を紹介する展示をご覧いたただき、建物の魅力を知り、改めて建物を見ていただければ」と話した。
小樽雪あかりの路開催に合わせ、2月8日(金)・9日(土)・10日(日)の限定で、開館時間17:00までを19:00まで延長。最終入館は18:30まで。通常の冬季開館時間は10:00~17:00。
◎日本銀行旧小樽支店 金融資料館
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