補正予算案可決! 予算特別委


 小樽市議会(鈴木喜明議長)の予算特別委員会(斉藤陽一良委員長)が10月9日(火)行われ、付託されていた補正予算案が可決された。
 共産党・小貫元議員は、港湾整備事業特別会計補正予算について質問した。同補正予算では、港町ふ頭ガントリークレーンの故障による緊急点検と補修に要した費用として、多目的荷役機械維持補修費2,187万6,000円を補正した。
 同議員は、過去10年(平成20~29年度)に要した保守点検及び補修金額に関する質問を行ったが、港湾室は、累計額で3億7,500万円、単年度では3~5,000万円の費用を要したことを明らかにし、今年度は5,680万円となる見通しを示した。
 また、クレーン設置(平成15年11月稼働)から、これまでの使用料収入累計が8,800万円、保守点検業務・補修費・公債費(設置に要した借入返済額)等に要した支出累計が8億7,700万円であることを明らかにした上で、コンテナ船入港が現在同様に、週1便の場合は年間使用料収入が600万円となり、今後、ガントリークレーンの収支については、年間3,000万円程度の赤字が生ずる見通しを示した。
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 赤字対策については、今年度、10年ぶりに中国を訪問することを明らかにした上で、小樽港の利用促進に向けた情報収集やPR、現在、中国貨物の大半である家具や白物家電(家庭用電気機器)の取り扱いの拡大や、新規貨物の発掘などのためのポートセールスに取り組むとした。
 市では、中国定期コンテナ航路を誘致した平成14年度から19年度にかけ、大連・青島・上海などに中国経済視察団として、行政府、企業、港などを訪問・視察しており、平成20年度からは国内で船社や荷主が多い関東・関西を中心に、ポートセールスを行ってきた。
 港湾室は、コンテナ航路の開設当初は、北海道全体でコンテナ貨物が伸びていた状況であり、小樽港もコンテナに対応しなければならないと考えてコンテナ航路を誘致した背景を示した上で、「平成18年頃から北海道全体の貨物量が横ばい傾向で、港湾間の競争もあって、大きく伸びることができない状況」と事情を説明した。
 同議員は、ランニングコストのかかるガントリークレーンに代わる荷役方法の検討がなされていないのか質問した。港湾室では、現在のガントリークレーンを更新(新たな設備に変えるなど)した場合の収支予測はしておらず、「船社側から要請の高いガントリークレーンの使用が小樽港でも必要と考える」として、ガントリークレーンの使用を継続する考えを示した。
 また、同議員は、港湾の機能維持のための必要な整備に全て反対するわけではないとした上で、「石狩湾新港整備に対する小樽港の優先整備を投げ捨てており、新港では、現在、週2便のコンテナ便に対し、中国貨物を目指して、さらにガントリークレーンの整備をしている」状況を問題として、「苫小牧港も含めた競争の中で、中国航路を奪われないための対策が必要」と強調した。
 港湾室は、「急な故障対応では余計な費用がかかる。計画的な修繕を検討し、事故が発生しないようにする」として、保守管理業者やオペレーター、メーカーなどと共に、現在の保守管理体制を再構築して歳出を抑える考えを示した。
 質疑終了後、採決が行われ、補正予算案について全委員一致で可決された。
 第3回定例会補正予算の概要
 H301009 小樽市議会予算特別委員会1
 H301009 小樽市議会予算特別委員会2
 H301009 小樽市議会予算特別委員会3