小樽市議会(鈴木喜明議長)の第3回定例会・会派代表質問が、10月1日(月)に始まり、自民・中村吉宏、公明・千葉美幸各議員が質問を行なった。
中村議員は、市長の政治姿勢について、公約に掲げている「対話の重視」の進め方や「市政のオープン化」について聞いた。
迫(はざま)俊哉市長は、対話について、「町会やまちづくり団体などの会合に積極的に出向き、市民の意見を聴くほか、商工会議所など経済団体との新たな意見交換の場を設ける」と考えを示し、職員にも「現場」に入って関係者と対話する意識改革を促す考えを示した。
市政のオープン化については、「市の取り組みや考え方・意志決定の過程を可能な限り具体的に伝えること」とし、市民に納得してもらえるまちづくりにつなげたい」と述べた。
また、公約で掲げる「経済と生活の好循環」について、市長の経済活性化のビジョンに関する質問をした。
市長は、観光入込客数の増加、食料品など製造品出荷額の増加、今後も伸びが期待できるクルーズ客船の寄港などを挙げ、「観光を基軸とし、歴史的な街並みを生かした観光拠点づくり、みなと観光の拠点整備、中心市街地のにぎわい形成、国内外への販路拡大、中小企業等の振興策などで、地域内の経済循環と外貨の獲得を意識して、総合的に取り組みを進める」とビジョンを示した。
除排雪の改善ついての質問では、「排雪が適切な時期に入っていないこと、排雪が入っても道路上に高い雪山が残され、歩行者に対しても危険である」という問題について認識を示し、今回、計画排雪量を過去5年間の平均値を採用することで、バス路線や交差点、通学路の安全確保を図る考えを述べた。
また、例年12月1日に設置している除雪対策本部を、11月中旬に立ち上げることで、除雪ステーションに除雪機械や人員等を早期に配置し、除雪作業の出動や市民からの問い合わせに対応する考えを述べた。
千葉議員は、市政において経済界と連携して取り組むべき重要課題について質問した。
市長は「市政において、ここしばらく経済界との信頼関係が構築されず、新幹線の開業に向けたまちづくりや小樽港を活用したまちづくりが滞っていたと感じた」と述べた上で、「こうした状況を正常化し、これらの重要課題の解決に向けて前に進めたい」と話した。
また、新幹線開業に向けたまちづくりでは、官民連携組織を立ち上げ、新駅と中心市街地を結ぶ二次交通対策や、観光客誘致促進を図るためのソフト対策等を検討することを明らかにし、港湾整備では、第3号ふ頭の将来像を検討している経済団体と連携した取り組みを進める考えを示した。
現在中断している小樽港湾計画改定作業についても、「出来るだけ早く作業を再開する」と話した。
9月6日の震災に関する質問では、停電の中でテレビが利用できず、情報を得る手段を確保できなかった市民から、FMおたるの災害放送を評価する多くの声があったことに触れ、同放送を受信できない地域があることについて、市長の見解や今後の対応策を聞いた。
市長は、放送エリアを広げるためには中継アンテナの設置が必要とした上で、「高額な費用がかかることから、すぐに難聴地域を解消することは困難である」と見解を示した。
「現在、補完的に難聴対策として行っているFMおたるのインターネット配信について、周知に努めるとともに、今年度、実施設計をしている防災無線など、いろいろな方法を考え、災害弱者と言われている方々にしっかり対応できる対策を考えていきたい」と、今後についての考えを述べた。
◎質問要旨
◎H301001小樽市議会本会議1
◎H301001小樽市議会本会議2