芸術の秋に合わせて第69回小樽市文化祭が、9月27日(木)から、第72回市展を皮切りに、愛石・山草・盆栽・書道・硝子・花・写真など、11月11日(日)まで46日間続けられ、市民や観光客の目を楽しませている。
初日は9:50から市立小樽美術館(色内1)研修室で開会式が行われ、同市文化祭実行委員会・川村治男会長は、「市民の皆さんには各会場へ足を運ばれ、小樽の文化・芸術レベルの高さを実感し、平成最後の文化祭を楽しんでいただきたい。
文化の香り高い街小樽に向け、これからも関係する皆さんと手を携え、文化芸術の振興に積極的に取り組み、文化力の向上を目指したい」と挨拶。
迫俊哉小樽市長は、「多くの皆さんに会場にお越しいただき、作品の心に触れ、ひとりひとりが、心豊かな思いでお帰りいただく、そういう文化祭になってもらいたい。これからも文化活動をしっかりと支え、文化団体に関わる多くの皆さんの力添えをいただきながら、文化性の高いまちづくりを進めていきたい」と述べ、関係者によるテープカットで開幕を祝った。
市内で唯一の公募展となる市展は、本日27日より、同館1階の多目的ギャラリーと市民ギャラリー、2階企画展示室で、一般入選作品74点と市展委員59点(遺作2点を含む)を展示。
最高賞の市展賞には、境希代巳さんの「My Family」(油彩)が、4回目の応募で選ばれた。保護などで飼うことになった4匹の猫が、自宅ソファに寛ぐ様子を描き、4匹とも違う性格を80号のキャンバスに上手に表現した。
最初の応募は、F8サイズに猫を描き、「いいね」と褒められたのが励みとなり、昨年は師匠の肖像画で美術館賞を受賞している。「信じられない気持ち。今回の市展のために7月前から構想を練り作品を仕上げた。今現在も絵の勉強途中で、色々なことに挑戦したい」と笑顔で話した。
市展委員長で審査委員長の島常雄さんによると、22日(土)に搬入して23日(日)に厳選な審査をしたという。境さんについては、「昨年も入賞し、注目されていた。革のソファに4匹の猫が戯れている様子を細密に描いている」と高く評価した。
初応募で北海道新聞社賞を受賞した桑原正憲さんは、以前勤務していた古平の平田牧場の金華豚を題材にした「授乳」を出品。12匹の子豚が美味しそうに乳を飲む様子を描き、「子豚の喜ぶ表情を掴もうと観察して描いた。初めての応募で大きな賞をいただき、びっくりしている。今後の励みになった」と喜んだ。
ミクストメディア「色欲」で、昨年に引き続き、国際ソロプチミスト小樽賞を受賞した鳴海康弘さんは、憤怒など人間の心の悪魔や隙など7つの大罪をテーマに、髑髏(どくろ)を描き、「髑髏や骸骨は怖いイメージだが、受賞でき嬉しい。活動の励みになる」と話した。
10回目の挑戦で、見事、教育長賞を受賞したミクストメディア「雨の痕跡2018~災害を思う」の作者・高橋一文さんは、学生時代の立体作品から一転、3年前から雨を題材にしたミクストメディア作品を発表。ペンキの上に水彩色鉛筆で雨の流れを出し、全体的に青色でイメージした。「雨の日は嬉しい。雨は身近にあり自然そのもの。初めて受賞でき嬉しい」と喜びをかみ締めた。
第69回小樽市文化祭 9月27日(木)~11月11日(日)10:00~17:00
第72回市展 9月27日(木)~10月7日(日)10:00~17:00(最終日16:30) 10月1日休館
市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリー、2階企画展示室 入場無料
◎平成30(2018)年度第72回市展受賞者一覧