小樽市人口減少問題研究会(代表・江頭進小樽商科大学理事)が、昨年8月から行ってきた小樽市の人口減少問題に関する研究調査結果について、7月25日(水)に小樽商科大学(緑3)で発表した。
江頭代表のほか、同大学和田健夫学長、森井秀明小樽市長が出席した。
商大と小樽市は、包括連携協定を締結しており、同研究会は、同協定に基づき商大の教授陣と小樽市職員とで組織された共同研究チームで、人口減少のうち、転入や転出といった人の移動によって生じる社会減の側面について、科学的手法を用いた調査・分析を行い、人口減に歯止めをかけるための施策の検討などを行ってきた。
調査は、小樽市・市議会・商工会議所など経済団体の関係者に対して、人口減少に関する見解の聞き取り調査や、小樽市民・札幌近郊住民・全国の自治体にアンケート調査などを行った。約9,600件のアンケートに対し、5,200件の回答を得ている。
調査結果からは、人口減少の要因が、小樽市の生活環境に対する不満や所得の絶対的な低さであることが指摘され、江頭代表は、「公園の整備や子育てネットワークの充実による環境の整備や中学校・高校の教育力向上といった、20~40歳の子育て世代に満足を与える施策が効果的であるが、中長期的には産業構造改革も含めて所得の水準の向上を図ることが課題となる」と話した。
調査報告書については、市のホームページか市立図書館で閲覧できる。
◎「小樽市における人口減少の要因分析及び有効な施策に関する研究」報告書