小樽市立桜町中学校(岡本清豪校長)体育館で、文化庁が実施する平成30(2018)年度文化芸術による子供の育成事業(巡回公演事業)の一環で、東京フィルハーモニー交響楽団(80名)によるコンサートを実施。生徒230名を含む保護者・地域住民ら約350名が、オーケストラの生演奏を楽しんだ。
一流の文化芸術団体が、小中学校で公演し、子ども達が優れた舞台芸術を鑑賞する機会を得ることで、発想力やコミュニケーション能力の育成、将来の芸術家の育成や国民の芸術鑑賞能力を高めることを目的としている。
同交響楽団は、1911(明治44)年創立で、日本で一番古いオーケストラ。メンバーは約130名。テレビや映画音楽のコンサート等で演奏し、国内外で活躍している。
岡本校長は、「床に直に座って、体育館全体から伝わる振動や空気感を体全体で感じてもらいたい」と挨拶した。
5月12日にワークショップを開き、ボディパーカッションの練習や生徒全員で歌詞を考え、本番に備えていた。
指揮を務める円光寺雅彦氏が、オーケストラで使われている楽器を弦楽器・管楽器・打楽器に分け、ヴァイオリンとビオラの音色の聞き比べや、フルート・ホルン・トランペット・チェロなどの音色も紹介。
生徒3名と岡本校長が、ブラームス「ハンガリー舞曲第5番」に合わせ、1人ずつ指揮を体験した。
練習したボディパーカッションは、ベートーヴェン交響曲第5番「運命」第1楽章に合わせ、全員が共演を楽しんだ。
生徒が考えた歌詞を、シベリウス交響詩「フィンランディア」で歌い、同校吹奏楽部もオーケストラに混じって本校校歌を演奏。中学校生活で忘れられない思い出となった。
ロッシーニ歌劇「ウイリアム・テル」序曲より「スイス軍の行進」など、校歌も含めて全11曲を演奏した。生徒達は、オーケストラの迫力ある音と振動を体で受け止め、貴重な時間を過ごした。
文化専門委員・六条大登君(2年)は、「想像以上の迫力で感動。一生の宝物になりました。これからも日本を代表するオーケストラとして活躍してください」と感謝を表した。
◎東京フィルハーモニー交響楽団