小樽市議会(鈴木喜明議長)平成30年第1回定例会の予算特別委員会(前田清貴委員長)が、3月1日(木)13:00から市役所(花園2)第2委員会室で始まった。同委員会は6日間に亘って行われる予定。
本会議の一般質問に引き続き、同委員会でも排雪に関連する質問が相次いだ。
共産党・新谷とし議員は、除雪対策本部会議に森井秀明市長が参加し、予算の執行状況などを職員に問うことで、これ以上の予算執行を抑制するような無言の圧力がかかる懸念を指摘し、「排雪が進んでいないのは、そのためではないか?」と、市長に質した。
市長は、排雪抑制を否定したが、同議員は、「除排雪の問題は全会派が取り上げている。それだけ大変な状況。それなのにやってもらえないから、これだけの疑問や質問が出てくる」と糾した。
公明党・秋元智憲議員は、平成28(2016)年度と平成29(2017)年度のそれぞれ1月末時点における累計降雪量と排雪量について質したところ、降雪量は351㎝から412㎝へ61㎝増えたにも拘わらず、排雪量は22万立方メートルから12万6千立方メートルへ、9万4千立方メートル(43%)も減少していることが分かった。
同議員は、「9万4千立方メートルもの雪がどこに行ったのか?街の中に残っている。つまり排雪は良くなっていない。悪くなっている」と数字を示しながら、これまで根拠も示さず「除排雪は改善した」と唱える森井市長を強く糾した。
さらに、同議員は、前市長時代の平成26(2014)年度1月末時点の降雪量が410㎝と29年度とほぼ同じ量で、排雪量が55万立方メートルだったことを紹介し、29年度は42万4千立方メートルも少なくなっていることを指摘した。
また、ロータリー車で雪山を積めるだけ積む森井市長の除雪方法を大変危険だと指摘し、森井市長と、議員や市民との間に横たわる危険に対する感覚のずれについても問題にした。
自民党・濱本進議員は、前副市長が辞意を表明してから3カ月が経過する中で、副市長専任について森井市長が具体的に何をしてきたか質した。
森井市長は、「何も具体的な行動はしていないので、見通しが立たない」と答弁すると、同議員は、「必要な役職者が欠けたのなら、即座に対応を考えて行動するのではないか?まともな組織のトップが3ヶ月も投げておくのか?ありえない。おかしいと思わないか」と質し、森井市長のトップとしての資格が欠如していることを指摘した。
市長は、「おかしいかどうかと言えば、おかしいとは思っていない。考えていたけれどどうして良いか分からず選任の見通しが立たない」とし、任期終了まで決められないかもしれないことをほのめかす発言も飛び出すなど、一同、あっけにとられる場面が続いた。
本来、副市長が担う除雪対策本部にいそいそと出張って排雪抑制を疑われながら、一方では副市長選任を放り投げている森井市長。
自治体にとって副市長の役割は大変重要で、内では事務方のトップとして職員をまとめ、外では、市長の代わりに多くの場面で市を代表する、まさに女房役と言える。
小樽市は、この春に12名もの部長・次長職が退職予定になる中で、副市長が不在のままであるのは、緊急事態と言ってもよい。この状態を「おかしいとは思っていない。どうして良いか分からない」と言う森井市長は、自ら市長失格を認めたことになる。
市長の職務は船長にも例えられるが、クルー不在の泥船の”森井丸”では、乗客も何処に連れて行かれるかも分からず、五里霧中の航海を強いられるばかりだ。森井市長の無責任市政に対する議会や市民の怒りは、さらに高まることになりそうだ。
◎H300301小樽市議会予算特別委員会 自民・中村、濱本、共産・新谷、酒井各議員
◎H300301小樽市議会予算特別委員会 民進・中村、髙橋、公明・秋元各議員