小樽市議会(鈴木喜明議長)は、3月13日(火)に再度中断した総務常任委員会(山田雅敏委員長)を、15日(木)に再開した。
予算案が否決されたことについて、「一部の議員が協力してくれなかった」といった森井秀明市長の発言が、事実と異なることを指摘されたにも拘らず、市長が「そうは思わない」と、頑なに否定を続けたため、「議論にならない」と中断していたものだ。
冒頭、市長は、「一部の議員が予算案をはなから反対していると思っていたから、そのように報道機関に伝えた。しかし、予算委員会では全議員が原案通り認めなかったことは、指摘されたとおり」と、自らの誤りを悪びれずに述べた。
山田委員長は、この市長の態度に対し、「事実と反する身勝手な答弁を繰り返した結果、審議が中断し会期が延長されることになったが、それを意に介せず、一切の反省や謝罪も見られない」と苦言を呈した上で、いたずらに議会との関係を壊すようなことはせず、自治基本条例が市長に求めているものを切々と述べ諭したが、市長は首をひねってみたり耳を掻いてみたりと、真摯に受け止めているとは思えない態度でいた。
民進党・佐々木秩議員は、”一部の議員”とする市長発言を訂正するよう求めたが、市長が訂正を拒んだことから、「客観的事実に基づかず、自分の思い込みで公的発言をしてしまう。そして、誤りが分かっても謝罪も反省もしない市長という烙印を押されることになる」と指摘し、今後の市長活動において、相手からの信頼を失うことになることを強調した。
また、稚内市議会では新年度予算案が否決され、稚内市長が「市政運営の責任者として、市民にお詫び申し上げる。市民生活に影響が出ないようにしたい」と、報道機関に発言したことについて、予算案が否決されたことを議会側のせいにする森井市長にコメントを求めた。
市長は、「その時の心情をそのまま吐露されたのでは?」と、おかしなコメントを発して澄ましていた。
公明党・斉藤陽一良議員は、予算案を否決したからには、議会は責任を問われかねないとする森井市長の発言に対し、「道義的といった感情論で煽って、議会、議決結果を陥れるデマ宣伝の手口。議会制民主主義に対する挑発行為だ」と強く糾し、発言の撤回を求めたが、市長は拒んだ。
議会制度に対する、稚内市長と小樽市長の認識の違いが、鮮やかに浮き上がる質疑となったが、「なぜ市長提案の予算を、議会が議決することになっているのか?」といった、地方議会の二元代表制について、理解しているかどうかを森井市長自身に尋ねた質問には、市長は答えず総務課長が代わりに答える場面も見られた。
質疑終了後、付託案件について採決が行われたが、12月議会で否決され、再度提案された森井市長の条例違反に対する減給条例は、「議論の後に否決されたにも拘わらず、内容は前回と全く同じで、理由や説明さえ無い。市民や議員に説得し、納得してもらおうという気が無い。自らに厳しい責任の取り方で範を示すべき」として、再度否決された。
◎H300315小樽市議会総務常任委員会 民進・佐々木、公明・斉藤、無所属・安斉各議員
◎H300315小樽市議会総務常任委員会 採決
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