森井秀明小樽市長の定例記者会見が、2月14日(水)16:00から市役所(花園2)で行われ、今月開催予定の小樽市議会(鈴木喜明議長)第1回定例会に提案する議案が発表された。
議案は、平成29(2017)年度一般会計など補正予算案6件のほか、平成30(2018)年度一般会計ほか各会計予算案14件・条例案等18件。市長給与1ヵ月分の50%カットでは量定が軽すぎるとして、昨年12月議会で否決された市長の条例違反に伴う減給条例案は、市長自身は妥当だとしているが、会期中の再提案に向けて現在検討中であることが分かった。
平成30(2018)年度が森井市政の任期最終年度のため、最後の政策予算となる一般会計予算は559億1,000万円。森井市政では当初予算に計上されず、議会で問題となっていた除雪費14億2,770万円を、初めて当初予算に盛り込んだ。
財源は20億1,000万円が不足するため、過疎債による借入2億2,000万円のほか、市の貯金の財政調整基金から17億9,000万円を取り崩して帳尻を合わせた。このため同基金の残額は3億6,700万円になる見通しだ。
昨年、市が公表した平成34(2022)年度までの中期財政見通しでは、平成31(2019)年度以降も、毎年約20億円の財源不足が発生する見込みとなっており、頼みの綱の同基金が無くなれば、財源確保が非常に困難な事態が生じることになる。
一般的な行政サービスにかかる経費など、街の運営のために必要な財政規模を「標準財政規模」と呼んでいるが、累積赤字額が標準財政規模の20%を超えると夕張市のように街の倒産と言われる「財政再生団体」になる。小樽市の場合は標準財政規模が約330億円のため、累積赤字が66億円を超えると倒産となるが、20億円の財源不足が毎年続く状況で、財源対策が出来なくなれば、その結果は火を見るより明らかだ。
森井市長は、新年度予算編成に当たり、事務経費等の縮減に努めたと話すが、その効果額については検証されていない。
記者から、財政の危機的状況について市長の認識を聞かれると、「毎年20億円の財源不足が生じる見込みだと公表してきた」と答え、深刻な財源不足についての認識は示したが、対策や検証については「新年度にかけて行う」と、これまでの3年間、全く手をこまねいていたことを露わにしており、今回、計上した保育料の第3子無料化や子どもの医療費助成など、自身の公約に掲げた自主財源事業を継続していくための財政的な長期的視野の欠如が疑われた。
また、自身の交際費については、30%増の100万円を計上するなど、危機的状況にありながら自ら財政を律する姿勢を欠く、首長の資質を疑われるような査定を行っており、「市民の声を聞くための必要経費」といった趣旨の理由を述べたが、「金をかけなくても市民の声を聞く方法はある。市長と語る会のような場を持つことはいくらでもできる」と記者から指摘された。
◎平成30年小樽市議会第1回定例会提出予定議案
◎平成30年度予算(案)のポイント
◎平成30年度当初予算主要事業
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