小樽商科大学(緑3)言語センター・井上典子教授とゼミ生ら学生9名(1年~4年科目等履修生・帯川拓弥リーダー)は、小樽を訪れる外国人向けに魚をテーマにした「OTARU SEAFOOD GUIDE」を3万部(A3・4つ折り)発行。2月13日(火)から小樽・札幌のホテルや観光案内所に配布した。
小樽の豊富な海産物に目をつけ、魚をテーマに観光客へアピールしようと、各店舗と連携し、学生達が自ら歩き取材して1冊のガイドにまとめた。
北斎の波を表紙にした同ガイドは、暖簾や巻物など和のイラスト素材を活用して、外国人の興味をそそるように工夫。
小樽産の旬の魚を使った料理を提供するレストランマップをはじめ、小樽駅内のタルシェで購入できる海産物を使った人気土産物を紹介。
旬の魚カレンダーや旬の海産物を使った料理が食べられる店舗情報、海産物に合う地酒やワインも。
魚を捕る人・せりをする人・魚をさばき提供する人の一連の流れを、漁師の成田学さん、小樽鮮魚買受人連合会の太田清一さん、鮮魚店直営市場食堂味処たけだの乙丸健さんに取材し、小樽の水産業に関わるストーリーを紹介している。
さらに、小樽の魚の歴史も盛り込まれ、外国人観光客が帰国後に、小樽の旅の思い出として読み返してもらいたいとの想いを込めた集大成となっている。
QRコードを読み取ると、小樽のせりの様子や店舗の紹介、オーナーへのインタビューなど3分動画とマナー(席を移動しない・大声を出さない・持ち込まない等)について1分動画を見ることができる。
井上教授は、地域貢献にやりがいを感じ、経験を積む意味も含め、1年生から4年生までの学生を集めた。
昨年の6月に企画し、7月・8月に小樽駅周辺や運河プラザの外国人観光客140名にアンケート調査。8月から自分達で出向いて取材を開始し、10月に報告会。観光客が喜ぶ、小樽の素材を使った寿司やパスタ、あんかけ焼そばや天ぷらなど、試食して感じた想いを日本語で文章にまとめ、12月から英語翻訳を開始した。
アンケートを参考に、足を運び感じた学生の意見も多く反映させたガイドとなった。
横井志保さん(4年)は、「小樽についてあまり知らなかったため、メニューに英語版表記があるか調べるなど、店の情報を集めるのに苦労した。このプロジェクトに携わり、小樽に詳しくなることができ、より愛着が湧いた。地元の人が親しみやすい店をピックアップしたので、小樽の暮らしを体験するように、マップを持って楽しんでもらいたい」と話した。
小樽市観光物産プラザ(色内2)では、制作に携わった学生自らが、同ガイドの内容等を英語で解説して1人20部ずつを配布した。
この取り組みは、自治体と連携して課題の解決に取り組む、地の拠点整備事業(COC事業)の一環で、2013(平成25)年に採択されてから、2017(平成29)年度は最終年となり、井上ゼミでは5プロジェクト目となる。
第1弾は「鰊御殿パンフレット」を英語版に、2弾は外国人に分かりやすさに配慮した「マップ」を、3弾は「天狗山エリアマップ」、昨年は、外国人の利便性を高める「小樽両替マップ」を制作した。
小樽に訪れる外国人観光客へおもてなしの心で、その都度、小樽市と連携を図りながら制作に励んできたという。
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