小樽市消防本部は、12月22日(金)11:30から、小樽朝里クラッセホテル(朝里川温泉2)で、夜間を想定した自衛消防隊による訓練を実施した。
客室から出火したことを想定して、夜間に勤務している最小人員で、119番通報・宿泊客の避難誘導及び初期消火訓練を行った。
自衛消防隊の同ホテルフロントサービス課・千葉希芳マネージャー、同・宮前大介さん、施設管理課・古木健史主任が訓練に参加。消防本部予防課指導係3名が夜間の管理体制を検証し指導した。
出火場所をフロントから最も遠い6階の客室を予定していたが、宿泊客が滞在中のため、3階の2312室から出火を想定して訓練が始まった。
自働火災報知機が鳴り響き、フロント勤務者2名が仮眠者に連絡、2名が階段で発報場所へ向かった。マスターキーでドアを開けて火災を確認。消火器と補助散水栓で初期消火を実施するが失敗したため、3階フロアの各客室へ火災を知らせ避難するよう呼び掛けた。4階も避難するよう客室を回った。
英語・中国語・韓国語で「避難しろ!」と書かれたプレートを制作して、外国人観光客にも分かるように工夫している。
火災発生から宿泊客の避難が完了するまで、避難限界時間(基準タイム)を設けて訓練を実施。訓練終了後に、講評があった。
フロントでは、落ち着いていて行動要領も的確。非常放送や機器の操作方法や特性について、今後、知識を深めるよう指導があった。
また、火災現場の客室で初期消火活動を実施した後に、補助散水栓のホースがドアに挟まってしまいドアが開いた状態だったので、煙を封じこめるためにも火災現場となる客室のドアは閉めるよう指導。部屋の奥まで宿泊客の確認をするよう注意した。
宮前さんは、「電話が通じない、タイムラグが出るなど、その時にならなければ分からないことも多く、その時々に臨機応変に対応しなかればならない。実際に火を見るともっと焦ってしまうかもしれないが、機器の取り扱い、連絡手順などについても全スタッフにも理解してもらいたい」と話した。
古木さんは、「火災現場に到着しフロントに通報。その後、初期消火失敗で、避難誘導開始する前にもう一度連絡するが、通報中のため電話での連絡が取れなかった。夜間は最低人数のため、気をつけたい」と、実際に訓練して分かる問題について聞き、通報しながら、避難誘導を率先するとの指導があった。
消防本部予防課・岩井俊憲保安指導係長は、「夜間の少ない人数で、どのように避難させ、消火して通報するか、しっかりこの訓練で認識し、火災があった時に速やかな態度をとってもらいたい。今日の訓練では、問題なく皆さん真剣に取り組まれ、安全体制を整えているホテルだと感じた」と述べた。
3階以上の建物のホテルへは、定期的に訓練を実施。市内の記憶に新しいホテル火災は、2014(平成26)年12月4日の午前7時半頃、宏楽園(朝里川温泉)でほぼ全焼する火事が発生。ケガ人はいなかった。◎関連記事
歳末特別警報中(12月10日〜12月31日)に合わせ、年末年始の繁忙期に人出が増える建物で夜間営業の店舗を中心に「夜間飲食店特別査察」を実施している。
◎小樽消防本部HP
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