森井秀明小樽市長(45)の女房役として、2016(平成28)年2月から副市長職を務めていた上林猛副市長(68)が、2年2ヶ月の任期を残し、自らの意思により、11月30日付で辞職することが11月10日(金)に明らかになり、森井市長は、「慰留に努めたが、最終的には本人の意思を尊重することにしました」と了承したことで、小樽市役所に激震が走っている。
2015(平成27)年4月の統一地方選で、現職の中松義治市長を破り、颯爽と登場した森井市長だったが、行政経験の不足から、就任当初から幹部職人事で迷走に次ぐ迷走を重ねた。
参与人事では、森井後援会の幹部を充て、嘱託職なのに個室と高給を与え、副市長人事では、前市長の中松後援会が行なった市役所庁内でのパーティー券販売事件を、小樽の恥と痛烈に批判してきた市長が、その当事者のひとりだった元部長を起用することにし、各方面から多くの疑問符が寄せられ、結局、市議会で副市長人事は否決された。
このため、市長就任から9か月も、副市長人事は空白のまま、森井市政は迷走を続けた。この迷走の上に、白羽の矢を立てられたのが、教育長等の教育畑が長い上林猛氏だった。
上林氏は、森井市長の要請を受諾し、市議会も選任に同意し、2016(平成28)年2月1日から就任し、森井市長の女房役を務めてきた。
その上林副市長が、わずか1年10ヶ月で、自らの意思で辞職に至った経緯には、我がまま勝手し放題の森井”暴走市長”に、ついに匙を投げて見放した側面と、先の市議会で市長と合わせ副市長の辞職勧告決議も可決されたことで、市議会との意思疎通の道が絶たれてしまったことが大きな要因だ。これにより12月市議会を前に辞職を余儀なくされたものだ。
上林副市長はコメントで、辞職に至った決意のひとつは「コンプライアンス委員会から指摘を受けた高島漁業区における観光船の許可等について、私自身の判断に誤りがあり、そのことで職員への適切な指導が出来なかった責任」と、もうひとつは「副市長として、議会や経済団体等の調整能力が欠如し、私と議会との信頼関係が損なわれ、このことで市政運営に支障が生じ、市民生活にも影響が及ぶことが懸念されるので、自らの責任として職を辞すこととした」と述べている。
森井市長のこれまでのデタラメ市政運営では、支える人が次々に離れ、結局、独りだけになり、気がつけば、四面楚歌になってしまった故事が思い当たるばかりだ。
後任の副市長人事について、森井市長は、「後任については、まだ考えが及んでいません」とコメントし、まさに茫然自失の状態だ。
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