プロ・アマチュア写真愛好家が集まる小樽写真研究会が主催する「堂堂展」(浅賀正生代表)が、7月12日(水)~17日(月)、市立小樽美術館(色内1)市民・多目的ギャラリーで始まった。
展示会名の「堂堂展」には、「上手いも下手も抜きにして、初心者もプロも堂々と」の意味が込められている。
小樽をはじめ、遠くは千葉県、札幌在住の40~70歳代の男女11名が、堂堂展・Freeの部とDeep清水町・梅ケ枝町をテーマに546点を展示。
デジタルカラー写真が多い中、ここではフィルムカメラが健在で、自分で印刷して作品作りをするこだわり派も多い。
展示も個性的で、様々なサイズの写真を縦・横・斜めに自由に並べ、11人の個展を開催しているような感覚だ。Freeの部では、自由に撮りたいものを発表。
志佐公道さんは、運河に映る「残影」を発表。何度も運河に通った志佐さんだからこそ撮れる印象深い作品だ。丁度良いうねりが起き、水面に影が映り込む季節や時間のタイミングを見つけたという。
市内の地下歩道に目をつけたのは、神田泰行さん。入船・潮見台・若竹・市役所通り・スポーツセンターなどの地下歩道を、独自の視線で捉えている。
旧日本郵船株式会社小樽支店の内部をクローズアップさせた写真を発表したのは、宮崎裕幸さん。どこの部分かひと目で分かるように、撮影した場所の図面も展示している。改めて、重要文化材の素晴らしさを写真が語りかける。
Cicacoさんは、カーテン越しの小樽の風景を撮影。カーテンを持ち歩き撮影した発想がユニーク。
今から30年前の運河や倉庫群を撮影した貴重な写真を発表した佐藤通晃さん。初参加の転勤族・細川佳人さんは、2016(平成28)年の1年間に小樽で出会った風景を発表している。
この作品展の見所となる、今のうちに残しておきたい風景や建物が気になる地区をテーマにした「Deep小樽」。16回目の今回は「清水・梅ヶ枝町」。10人それぞれが、そこで目にした風景を持ち寄った。
テーマが決定してから、1年を通じて課題現場を散策する人や1日で撮影する人と、様々だ。100年以上の歴史ある私設植物園「中野植物園」は、清水町を代表するスポット。ほとんどのメンバーが訪れ、手作りの遊具や動植物、素朴な風景など、撮影者によって表情が違うのも面白い。
志佐さんは、「10人の目が20の目で捉えている。ぜひ足を運んでもらいたい」と呼び掛けた。
小樽写真研究会は、もうじき結成30年を迎える。月に1度例会を開き、写真は持ち寄らず、情報交換と親睦を深めている。現在メンバーを募集している。
小樽写真研究会堂堂展Vol.26 7月12日(水)~17日(月)10:00~17:00
市立小樽美術館(色内1)1階市民・多目的ギャラリー 入場無料
◎小樽写真研究会(アーティスト・バンク) ◎関連記事