米ミサイル駆逐艦「マスティン」 (ウォレン・D・スミス中佐)が、7月1日(土)9:00に、小樽港中央埠頭4番岸壁に入港。周辺は厳重な警備体制がしかれた。
当初予定の3日(月)から7日(金)の寄港では、商船と重なり壁手配ができないと回答。日時を変更して要請があり、今回の寄港を承諾した。
入港を抗議する団体のシュプレヒコールが響く中、甲板に制服姿の乗員が整列し、船外の人々に敬意を表す登舷礼を実施して入港。
入港を反対する連合北海道小樽地区連合会(佐々木克夫会長)らが第2埠頭で抗議集会を開き、他の団体も第1埠頭に早朝から集まり、旗を立て「入港反対!」「出て行け!」と叫び続けた。
アメリカ海軍・ミサイル駆逐艦「マスティン」は、2003(平成15)年7月に就役。2006(平成18)年から、第7艦隊・第15駆逐艦隊として、横須賀に配備されたミサイル防衛対応艦船。長さ155.1m・喫水9.8m・幅20.1m・排水トン数9,000トン・マスト高45.7m・乗組員約340名・1日最大上陸人員218人。
2015(平成27)年2月に小樽港に初寄港し、今回は2度目。目的は友好親善。米艦船の寄港は、今年2月にマッキャンベルが、夏の米国艦船の寄港は4年ぶりとなる。
10:30より戦艦をバックに岸壁で記者会見が開かれ、艦長就任のウォーレン中佐が対応した。
先日、起きた艦船の衝突事故について、「非常に衝撃を受けた。この船に関しては、乗組員達は訓練を重ね有能で、安全に運航させる自信があり問題はない。日本の様々な機関の素早い対応に感謝している」と答えた。
今回の寄港の目的については、「乗員が良く働き休息が必要で、小樽で充分な休息を与え、安全航行ができるように、楽しい時間を持ち、任務に戻ってもらえればと思う」と回答。
小樽の人たちとはどんな交流をしたいかは、「これから、運河や寿司屋で出会った人々との交流をし、艦船の勤務は3度目だが、今回初めて小樽に寄港でき感激している。家族もこの機会を楽しみにしている」と回答。艦長の家族も寄港にあわせ来樽している。
度々寄港する理由について、「いつもはさっぽろ雪まつり時に寄港しているが、他の時期にも寄港したいと願っている。メンテナンスや休息など様々な理由で寄港しているが、寄港する港は、任務の支援や第7艦隊の戦域安全保障協力計画などを含む色々な要素に基づいて選ればれている。米海軍の将兵は、小樽をとても気に入っていて、市民の温かい歓迎に感謝している。小樽は美しく誉高いので、ここに来られたことをとても幸せに思っている」と回答した。
核兵器搭載については、「アメリカの政策では、米海軍の水上艦船、攻撃及び誘導ミサイル潜水艦航空機には、核兵器搭載をしないポリシーがあるが、核兵器に有無については議論しない。アメリカ政府は、日本国民の皆さんが、核兵器に抱いている特別な感情を良く理解させていただいている。日米安全保障の下での日本の義務に対して、心から敬意を払う」と回答した。
その後、艦長の案内で艦内見学し、船首や船尾にある垂直発射システム装置やメイン砲・レーダー・ヘリコプターなどの説明があり、艦長と記念撮影をし終始友好的だった。
7月3日(月)、自衛隊小樽協力会の主催で、10:00から接岸岸壁で歓迎セレモニーを、4日(火)9:40から小樽ドリームビーチで、乗員による清掃ボランティア活動を実施。出港は5日(水)13:00を予定している。
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