小樽市民会館(花園2・月居卓司館長)と小樽伝統文化の会(藤間扇玉会長)が主催して、日本の伝統文化を楽しむ「和を遊ぶ」が、6月18日(日)11:00から開かれ、市民ら約800人が会場を埋め尽くし、華やかな催しを楽しんだ。
かつて芸どころと言われた小樽に、今も生きる箏・詩吟・民謡・生け花・日本舞踊・茶道などの伝統文化が一同に会し、多くのファンを魅了した。
ロビーでは11:00から、茶道裏千家淡交会小樽支部による茶席を開設し、短歌や川柳・俳句の作品展示と、弁当や菓子の販売も行われた。
2階では、和装小物の販売のほか、華道家元池坊小樽支部による花展が開かれ、「花の力、そよ風にのせて」をテーマに、現代の暮らしにあわせた「生花新風体」や昔から伝わる「生花正風体」など教えに習った、中学1年生から93歳までの男女50人の作品を展示。
米山良子支部長は、「今回のテーマは、初代・池坊専好の伝説を描いた映画”花戦さ”にちなみ、花の力とこの季節に合わせた清々しいそよ風をテーマにした」と話した。
12:30から10の演目でステージが始まり、小樽三曲会(大佐賀博童会長)・日本舞踊藤間扇玉会(藤間扇玉会主)・日本詩吟学院小樽しりべし岳風会(前川岳樽会長)・雅貴代会が共演した。
小樽出身で第47回江差追分全国大会で優勝した歌手の日和よし貴さんが、父の陽章さんの尺八と、母かつ子さんのソイ掛けで、江差追分を熱唱。会場にプロの歌声が響いた。
2年前に続き、上林猛副市長・中村全博政寿司代表取締役・渡辺雅行元校長・原田聖治潮見台中学校校長の4名の殿方による日本舞踊「祝賀の詞」を披露。3ヶ月半にわたり練習を重ね、いよいよ本番を迎えた。演奏と詩吟も殿方で揃え、観客の注目を集めた。
ステージを締めくくるのは、扇玉会長の振付・演出で、藤間扇久華氏が構成・脚本を担当した組曲「万華鏡小樽」。小樽のまちに点在する彩りある歴史的建造物を「万華鏡」にたとえ、ドローン映像や写真を背景に建造物の解説が流れ、雅貴代会の箏の演奏に同岳風会の詩吟が流れ、扇玉会の踊りで、大盛況の中幕を下ろした。
出演者一同がステージに登壇し、扇玉会長は、「私達一同は、日本の文化を良く学び、しっかりと守り、のちの人々に伝え、また外国の人々にも紹介すべく、精進してまいります」と挨拶した。本日の喜びを分かち合うために、三本手締めで最後を飾り、終演となった。
市内在住の男性は、「年々充実し素晴らしいと思う。来年は10周年となり楽しみにしている」と話し、同女性は、「日本の伝統文化を楽しめた。着物で出かける機会がないので、このような会に着物で来ると、より一層楽しめると思う」と話した。
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