将来ビジョン描けず? 市議会予特2日目


 小樽市議会(鈴木喜明議長)の第2回定例会は、6月19日(月)13:00から、市役所(花園2)第2委員会室で予算特別委員会(千葉美幸委員長)の2日目を開催した。
 共産党・小貫元議員は、2017(平成29)年度の不登校児童生徒支援事業について、同事業が文科省に採択されなかったため、北海道を通じて市に払われる国の委託金を減額補正したことについて質問した。
 同事業は、近年、市内で不登校児童生徒が増加する中で(平成27年度小学生13名・中学生70名計83名)、2016(平成28)年7月から、教育委員会の支援員が不登校児童生徒の家庭訪問を通じて、教育相談や学習支援等を計画する支援事業で、一定の成果が見られたものだが、2017(平成29年)度の申請を北海道の公募要領に基づいて文科省に申請したが、今年3月28日に不採択の通知を受けたもの。委託金を受け取ることは出来なくなったが、事業は市単独費で実施する。
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 小貫議員の「なぜ採択されなかったか?」の質問に、市教委は、「応募の数が多く、より多くの市町村に広めたいという国の意向で、小樽市を含む道内からの応募自治体全てが採択されなかった」と説明。
 同議員は、「道教委の手順で手を挙げたにもかかわらず不採択であったことや、道議会でも同事業への歳出予算を議決していることも考えると、採択されなかった他自治体と共同で道教委に対し同事業への助成の要請を行ったらどうか」といった提案に、市教委は、「他都市との連携協議会で今後どうするか検討していきたい」と答えた。
 自民党・中村吉宏議員は、小樽駅前中心市街地再々開発に関して質問し、駅前広場の再整備や中心市街地への市営住宅建築について森井市長の描くイメージを質した。
 森井市長は、「駅前広場は、歩行者と車のそれぞれの動線が複雑になっており、この状態の改善を図る。市営住宅については中心部の利便性が高い場所への高齢者の居住ニーズが高いだろうということと、居住者が増えることで中心商店街等に足を運んでもらえることを考えた」と、公約で掲げた内容を繰り返すだけで、具体的なイメージを示さなかった。
 中村議員は、築40年以上経過する駅前第1ビルや第2ビルのあり方を含めた総合的なビジョンの必要性を指摘したが、森井市長は、「駅前広場と市営住宅建築の2点については、小樽駅前再々開発ということで掲げたわけでない。第1ビルと第2ビルの抱える課題解決は時間がかかるので、まずは2点を実現することが私のビジョン」とした。
 また、同議員が、市営住宅の建築場所について質すと、市は、「まとまった土地が必要であるので、確保が困難」とし、森井市長も、「駅前周辺の交通量調査が終了してから、建築場所について検討する」と応じたが、交通量調査と建築場所の検討にどんな関係があるのかの質問には明確に答えなかった。
 同議員は、駅前広場と市営住宅の問題を駅前第1・第2ビルと別個のものとして扱うのではなく、「バスやタクシーの乗り場も第1ビルを改築して、ビルの1階や地下にターミナル機能を設置していくことも可能。市営住宅も(ビルを改築して)テナントと共同しながらやっていく今のスタイルでも良いのではないか。そういう進め方で関係各所と調整していくべき」と、グランドデザインを示せない森井市長に提言した。
 駅前広場については、市に寄せられた手紙に対して、「駅前広場内のバス・タクシー乗り場、駐車場、一般車両の乗降スペース等の部分改良を行う対策を検討した経緯があるが、現状の約7,400㎡の範囲ですべての機能の改善を図ることは、物理的に困難」と答えており、ただ「改善する」の一点張りで、実現への道筋を示すことができない森井市長の発言はただの空手形としか言いようがない。
 明日20日(火)は予算特別委員会最終日の予定。
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