人口12万都市だった小樽市の人口減少が止まらない。
近年は、毎年2,000人前後の人口減が常態となっていたが、5月8日の住民基本台帳人口の速報値で11万9,985人となり、ついに12万人割れになったことを、市の戸籍住民課が明らかにした。
小樽市の人口のピークは、昭和39年(1964)の20万7,095人で、以降53年間は一貫して人口減に見舞われている。隣接市の道都札幌市の拡大と共に、経済的必要性から若年層の小樽転出が止まらなくなったことが大きな要因となっている。
海路の物流面では、苫小牧港にフェリー発着が奪われ、経済低迷から都市銀行が次々と札幌に統合され、都市銀行がなくなり、日本銀行小樽支店も札幌へ撤退するなど、経済基盤が失われた結果、次第に人口減に拍車がかかり、斜陽都市への仲間入りへと変貌した。
また、少子高齢化が急速に進み、高齢化率が道内10市で最も高くなっている。高齢者の死亡率の増加と出生率の減少化が進み、人口減に拍車がかかっている。
少子高齢化と札幌への転出が、小樽市の人口減少の構造的要因をなしているが、歴代市長は、移住定住などの人口対策を揃って公言していたが、まだ誰も有効な策を打ち出せないまま、斜陽都市への道がさらに加速している。
森井現市長も、選挙公約で「人口減少に歯止めを!」と約束していたが、何ら効果的な政策を実行する気配もないまま、人口減に歯止めどころか、さらに加速させているばかりだ。
小樽の人口減がこのまま加速すれば、現在、道内7位の小樽市の人口は、8位の北見市・9位の江別市と、この1~2年で逆転し、9位に転落することになりそうだ。
森井市長は「現在の人口減少は、超高齢化社会の進展やこどもの出生率の減少など日本全体の問題であり、このような状況下にあることを真摯に受け止めざるを得ないと考えております。
住みよいまちづくりをみなさまの知恵をお借りしながら進め、人口減少に歯止めをかけられるよう努めてめてまいりたいと考えております」との他人任せのコメントを発表した。
写真は、小樽市役所玄関ホールに掲げられている「小樽市の人口と世帯」。住民基本台帳による4月末現在。