市長答弁「再考しない」!予特で総合計画の条例案審議


 小樽市議会(横田久俊議長)の予算特別委員会(前田清貴委員長)が、4月21日(金)13:00から小樽市役所(花園2)第2委員会室で開催された。
 同委員会は、平成29年第1回市議会定例会において、継続審査となった総合計画の策定等に関する条例案を審議するために行われた。
 同条例案は、今年度から策定に取り掛かる次期総合計画を見越して提案されたもの。総合計画の構成を3層構造(基本構想・基本計画・実施計画)から2層構造(基本構想・基本計画)に変更し、そのうち基本構想のみを議会の審議事項にすることと、策定委員から市会議員を除くことを内容としており、「これでは議会意思を重要な総合計画策定に反映することができない」ということで、3月の第1回定例会では可決とならず継続審査の扱いとなっていた。
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 これまで市は、64年前の昭和28(1953)年に総務省行政課長が、福岡県知事室長宛てに回答した「審議会等の委員に議員を委嘱することは違法ではないが、適当ではない」といった行政実例と、道内主要都市で議員が策定委員となっているところが無いことを理由に、議員を策定委員から除くことにしたと説明をしていた。
 21日の審議では、行政実例は、行政運営上の参考に供するため表明された単なる意見で、全国の市町村を対象にした調査では、調査に参加した半数の約48%の自治体で議員を総合計画の策定委員にしており、委員に入れる入れないは各自治体の判断にゆだねられていること、総合計画は市にとって最も大切な計画であり、昭和52(1977)年に出来た条例では様々な経過を踏まえた上で、議員を策定委員にすることを決めたにも係らず、なぜ今、唐突に十分な調査や検討経過が議会に示されずに、議員排除ありきの乱暴な進め方をするのかなど、議員から異口同音に市のやり方に対して厳しい指摘がなされたが、市はこれまでと同じ言葉を繰り返すのみだった。
 一方、他にも9つの審議会等において市会議員が委員になっているものがあるが、そちらの議論は行わず総合計画のみ特別に排除を進める方法にも異議が唱えられた。
 21日の同委員会は、再度条例案を練り直し、提案し直す考えを森井市長に対し確認したが、森井市長は、そういう考えはない旨答弁し、終了した。
 平成26(2014)年4月から施行された小樽市自治基本条例の市と議会と市民の3者でまちづくりを進めて行こうという連携の理念で、本来、市は次期総合計画策定に取り組むべきところだが、過去の経緯を省みず、丁寧な検討も行わない思いつきとも思える森井市長の独断が、まちに無用の分断を生じさせることになりそうだ。
 H290421小樽市議会予算特別委員会1
 H290421小樽市議会予算特別委員会2
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