元小樽市職員の迫(はざま)俊哉氏(58)が、次期市長選を目指し、「小樽みらい会議」を4月1日立ち上げた。4月14日(金)14:00から市役所記者クラブで同会議について会見を行った。
同会議は、小樽の未来に向けたまちづくりを市民で考えていくことを目的として発足し、今後、会員の募集を進め、多様な意見や考えを交換する交流会や様々な情報を発信する講演会等の開催、会報発行などを行っていく。
迫氏は、「森井現市長の市政では、将来のまちづくりの不安や危機感が払拭できない思いがあり、次の市長選を目指すために今年の2月末で早期退職した。市長選を目指し退職した判断は、人に勧められたり、団体組織から支持を受けたわけではなく、1人で決めた。小樽みらい会議は、無名の自分のまちづくりへの思いに共感していただける人を増やしていきたいことと、市民の皆様のまちづくりに対する思いを感じるためには時間も必要なことから、この時期に設立した」と話した。
また、総務部長時代に策定に携わった自治基本条例(市民主体のまちづくりのルールを定めた条例)に触れ、「条例策定時の思いを自分自身も引き続き持っていきたいという気持ちであり、市民1人1人がまちづくりに関心を持っていただくことで、市民参加のまちづくりが実現できると思っているので、小樽みらい会議を通じて関心を高めていただけると考えている」と同会議設立への思いを話した。
迫氏は、1958(昭和33)年小樽生まれの58歳。小樽潮陵高校、高崎経済大学(群馬県高崎市)を経て、1982(昭和57)年に小樽市役所に入庁し、企画政策室長、総務部長、教育部長、北しりべし廃棄物処理広域連合事務局長などを務め、2017(平成29)年2月末で市役所退職。ロシア語に通じ、在職中は、姉妹都市ロシア連邦ナホトカ市との交流に積極的に取り組んだ。野球や箏(こと)を趣味とし、小樽野球協会部長や小樽三曲協会会員として活躍している。
森井市政下では、当初、総務部長を務めていたが、内申書に基づかないい森井市長の職員人事異動が公正性や妥当性を欠くとして、総務委員会に参考人として出席、異議申立てを行っていた。森井市長は、迫氏を総務部長から教育部長、さらに北しりべし廃棄物処理広域連合事務局長に左遷させたことで、わだかまりが残った。
森井市長を見限り、定年を2年残し2月末で早期退職し、今回の次期市長選への挑戦を明らかにした。しかし、次期市長選は、まだ2年先のことだが、2年前からの立起表明は異例で、この先、どう動いて行くのかは不透明だ。
前回は、これまで市長選を牛耳っていた自民・公明・民主(民進)・商工会議所・連合小樽の5者連合を「5者相乗り体制」と強烈に批判した新人の森井秀明氏が、圧倒的な票差で市長の座を射止め、市民の期待を集めた。しかし、就任後は、後援会の幹部を優遇する異例の人事や施策が目立ち、今冬の除排雪なども大きな批判を呼んだ。この2年間で、森井人気は急降下で覚めてきている中で、迫氏が次期市長選への一石を投じた。
しかし、迫氏は、市職員の一定の支持はあるものの、市民には全く知られていない。市役所育ち一筋のお役人さんの決意を、市民がどう受け止めるかはまだまだ未知数だ。5者相乗り体制の復活かとの懸念もあり、新鮮味に欠けるとの市民の声も多い中で、森井VS反森井の構図での次期市長選の動向に注目が集まることになろう。
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