東日本大震災から6年を迎えた3月11日(土)、小樽市内でも震災や原発事故を振り返る催しが行われた。
サンモール一番街にある、おたる屋台村レンガ横丁(稲穂1)前では、「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニープロジェクト」(世話人:CDRW荒澤之博代表)が14:00から行われ、双葉高校合唱部員をはじめ、約200人の市民が集まった。
参加者は、震災発生時刻14:46に被災地に向けて黙祷した後、市内在住のピアニスト三浦明子さんの伴奏で「ふるさと」と「花が咲く」を合唱し、震災被害者へ哀悼を捧げるとともに、被災地への思いを新たにした。
また、市民センター(色内2)では、福島第一原発事故による放射能の影響を受けた福島県奥会津金山町に暮らすマタギ・猪俣昭夫さんの暮らしを描いた、安孫子亘監督のドキュメンタリー映画「春よこい」~熊と蜂蜜とアキオさん~の上映会(主催:やれること実行委員会大橋真由美代表)が開催され、400名を超える多くの人々が集まった。
同センターでも、14:46に黙祷を捧げた後に映画が上映され、映画終了後は、安孫子監督によるトークショーが行われた。
同監督は小樽市出身で高校卒業後に上京し、テレビ番組等の映像制作に従事。現在は東北大震災や原発をテーマにしたドキュメンタリー映画を製作している。
原発事故発生後に福島県に入って同作品の製作に取り組んでおり、「今回の映画の舞台となった金山町は、福島第一原発から130㎞離れた場所だが放射能の影響を受けた。それを考えると泊原発と小樽の距離(小樽中心部まで約40㎞)は、すぐ隣と言ってよい距離。福島にいると放射能の影響は考える以上に深刻」と、現場で感じたリアルな脅威を伝えた。
また、映画の主人公の猪俣さんが舞台に登場するサプライズの一幕もあり、会場は盛り上がった。猪俣さんは、「放射能汚染による熊や鹿、猪などの出荷制限が引き続き行われている」と話すなど、原発から遠く離れた山深い自然と共に暮らすマタギの生活にも、大きな影響があることが、会場に集まった人々に伝えられた。
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