北海道は、平成28年度北海道文化選奨に、田んぼdeミュージカル委員会(むかわ町)を、同特別賞に、小樽伝統文化の会(藤間扇玉会長)と沼田町夜高あんどん実行委員会の2団体を表彰した。
同賞は、地域に根ざした文化活動やその支援に活発に取り組む個人や団体を顕彰し、広く道民に紹介することで、その活動が地域の牽引力として、ますます発展することを期待して、平成5年に創設し今年で24回目となった。
今年は1月29日(金)13:00から、むかわ町四季の館たんぽぽホールで、各受賞団体の代表者や関係者、地元住民が集まり贈呈式を実施。小樽伝統文化の会の藤間会長・藤間扇久華氏、藤間扇玉会数名が出席。
地域の特色を生かした創作活動や創意工夫に溢れた文化行事を運営し、本道の文化振興に大きく貢献したと高く評価された。
2003(平成15)年開講の「伝統文化こども教室」をきっかけに、小樽市文化団体協議会に加盟する団体が集まり、2009(平成21)年に「小樽伝統文化の会」を設立。小樽三曲協会(山本聖子会長)・日本詩吟学院小樽しりべし岳風会(前川岳樽会長)・日本舞踊藤間流扇玉会・いけばな小原流小樽支部(斉藤豊葉支部長)・華道家元池坊小樽支部・茶道表千家小樽吉祥会・茶道裏千家淡交会小樽支部などが集まり、日本のこころ・伝統の素晴らしさ、和の心地よさに親しむ貴重な機会「和を遊ぶ」を、小樽市民会館(月居卓司館長)自主事業と主催し、小樽に生きる「和」の伝統文化を様々な切り口で紹介し、多くの市民を満足させ、昨年で8回目となった。
同館ホールでは、お茶席や原始林小樽支社・小樽川柳社・新墾小樽支社葦牙小樽支部による短歌・俳句・川柳の発表、政寿司・新倉屋・辻忠織物加工店・田中繊維本店などの職人の技と味の出店、いけばな展、ステージプログラムなど、全館揚げての催し物に来場者を楽しませた。
見所のひとつとなる舞台演目の最後は、郷土小樽をテーマに、各団体が共演した企画作品を上演して、小樽発の古典芸能の可能性に挑戦。楽しみにしている市民も多い。
関係者を集めて受賞の報告会が、2月18日(土)17:00からオーセントホテルで開かれ、各会の代表者14名が出席した。
藤間会長は、「第8回目を無事に迎え、各会の人柄や、かつて芸どころと呼ばれた小樽の先人達が守ってくれているような気がする。この度の受賞を受けて、先輩とともに思いを持ち続け、新しい情熱を持って9回目、何10回目と続くように頑張って参りたい。受賞を契機に初心に戻ることが大事で、情熱を失うことなく時代にあったやり方で続けていきたい」と述べた。
月居館長は、「皆さんの熱意と来場者の楽しみにしている気持ちに支えられ回を重ね、北海道から素晴らしい賞を受賞できるイベントに関わることができ嬉しく思う。皆さんと一緒に作り上げてきたものが長く続き、一番の喜びは、来場者が喜んで帰られること。今後も継続していきたい」と話した。
雅貴代会・明正雅紫盈会主(箏・三弦奏者)は、企画作品の物語を曲で表現する重要な役割を果たし続けてきた。
「お箏では出せない音を太鼓で出したり、波の音を出したり、出来上がったものをみると、踊りと箏と詩吟が一体化し、感激して号泣する。物語を音楽で表現するには難しいけど、達成感があり次を迎えることができた」と振り返った。
第9回和を遊ぶを、6月18日(日)に開催決定。歴史的建造物と和を組み合わせた企画作品を予定している。
◎平成28年度北海道地域文化選奨贈呈式
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