小樽市奥沢保育所(奥沢3)で、12月27日(火)10:00から、小樽警察署の協力の下、不審者を想定した対応訓練を実施。紙芝居を通じて、年長児ら子ども達の防犯意識を高め、訓練を検証する職員研修会が開かれた。
小樽市福祉部子育て支援課では、平成24(2012)年・25(2013)年に市内6ヶ所の市立保育所で同訓練を実施。平成26(2014)年に建替えた同保育所で本日実施し、平成27年に建替えた銭函保育所においても、今年度中に訓練実施を予定している。
小樽警察署の警察官が不審者に扮し、子どもを保育園に入所させたいため園内の様子を見学したいと訪れ、玄関に通されたが、どこか様子がおかしいと対応した堀部洋子所長が、回りの職員に大声で知らせ、玄関に近い調理室から調理員と用務員が、さすまた(相手の動きを封じこめる道具で、U字形などの金具があり2、3mの柄がついている)を持って駆けつけた。
不審者は、ポケットの中から取り出した刃物を振り回し、別の調理員はキャスター付きのキッチンワゴンで威嚇。本番さながらの訓練となった。園内には非常ベルが鳴り響き、0歳から6歳までの68名は、各部屋ごとにカーテンを閉め、ベッドなどでバリケードし、日頃の訓練通り一定の場所に避難した。
別の職員が110番通報し、警官2名が駆けつけ、不審者を取り押さた。訓練の様子を、他の保育所の保育士も見学に訪れていた。
その後、年長児を対象に、防犯対策「はなちゃんのかえりみち」の紙芝居を読み、知らない人についていってはいけないことを、「いかのおすし」、いかない・のらない・大きな声を出す・すぐに逃げる・しらせる行動をとるよう指導。市内での不審者による声かけは100件以上あり、危険が多いことを伝えた。
職員研修会では、今日の訓練について、警察官は、「基本的には不審者を入れてはならないが、1対1の場合、不審者との距離が近く、怪我の危険性がある。相手がポケットに手を入れた時など危機感を感じてもらいたい。距離を保ちながら制止する」よう指導した。
また、持ち方では、下の方を持つことで、相手を近づけない、さつまたの利点を生かすこと、出す時期についても、あまり早いと興奮することもあり、後方で待機することも必要と使い方を実践しながら解説。
市内小学校でも年1度訓練を実施し、繰り返し訓練することで成果が出ている。保育所でも定期的に訓練するよう促した。
今年7月の神奈川県の障害者施設で不審者が侵入した事件があり、防犯カメラを外に向けたり、鍵の強化、地域との繋がりを持つなど、防犯強化についても指導した。
堀部所長は、「子ども達も職員も月に1度訓練し、子ども達の避難は上手にできたと思う。保育士はほどんど女性なので、緊張感を持って訓練が必要」と話した。