小樽市議会(横田久俊議長)の平成28(2016)年第4回定例会が、12月1日(木)10:00から、市役所本会議場(花園2)で始まった。12月19日(月)までの19日間の日程で開催予定。誰でも傍聴することができ、事前の連絡は不要。
◎平成28年第4回定例会議会予定表 ◎市議会傍聴規則
初日は、森井市長から補正予算案6臆7,618万7千円のほか、条例改正案等について提案説明があった。補正額の大部分は、臨時福祉給付金給付事業費5億5,286万4千円。28年度市民税非課税の人を対象に1人1万5千円を支給するもので、3万5千人分を計上。これは国の経済対策で行われ、全額国費で賄われる。
条例については、市民会館や市民センター、おたる自然の村などの利用料の値上げや土日祝日の割増の利用料金区分を設置したことに伴って改正を行うものなど。
次に、10月に行われた決算特別委員会における質疑の概要並びに各会計決算認定について、林下孤芳委員長から報告があった。
冒頭、「参与の任用については、手続き・報酬額などに多くの不適切な点が見られたが、これらに対する疑念が、説明を聞いても払拭することが出来なかった。27年度第3回定例会において、参与報酬が含まれた補正予算を減額修正して可決。さらに参与報酬を定めた条例の否決を以て、参与に対する意思を明確に示したが、その後も任用を継続したことは、議会意思を無視した行為であり、非常に悪質で不適切な対応。到底、認められるものではない」といった意見のあったことに始まり、約27分間の委員長報告のうち10分間、参与に関する議論の経過を述べた。
除排雪に関しては、「排雪は予算の執行率が低く、少雪だったのにも関わらず非常に不便を感じたという市民の声が多く聞かれた。排雪の時期や順番は現場を見て適宜判断していたというが、市民の苦情を聞いても、その判断が公約に掲げるきめ細やかな除排雪が行われたことになったと思うか」、「排雪の基準作りについてはそれぞれ道路の状況が違うので難しいというが、除雪については基準を設けている。明確な基準がなければ、現場を見る人の感覚で根拠のないまま排雪の必要性が判断されかねない。排雪にも一定のルールを設けることを前向きに検討してほしい」などといった意見があったことを報告した。
また、一般会計については同委員全員が不認定とし、他の会計については、賛成多数で認定されたことを報告した。
この後、委員長報告について、賛成・反対の態度を表明する討論が行われたが、採決の結果、一般会計は、無所属の石田博一議員を除く全議員が不認定、その他の会計については、共産党を除く賛成多数で認定された。
民進党佐々木秩議員は、賛成討論において、「任用について、そもそも手続きが不適切であること。参与の業務内容が曖昧で、有能な現役職員で足りる内容であったこと。報酬額の算出根拠が極めて不明瞭であり、最初に額ありきの高額な報酬の支払いは、地方公務員法に定める給与条例主義で禁止する任命権者の恣意的な決定にあたること。参与報酬を定めた条例改正案を否決し、報酬を計上した補正予算案は報酬分を減額修正することで議会意思を示したにも関わらず、その後も流用という形で報酬を支払い続けたこと」の4点を改めて指摘した。
特に4点目については、「これでは予算修正権は有名無実化し、議会が行政の誤りを正すことができなくなる。これについては大きな危惧を抱き、市長への警鐘として不認定とする」と述べた。
森井市長は、同日13:30に行った定例記者会見の中で、「参与については嘱託職員として市長の任用権限の中で雇い続けることができたと思っている。昨年の第2回定例会で議会から任用方法も含め、様々な指摘を受けたので、第3回定例会で条例案を出した。それを議会軽視と言われるのは腑に落ちない」などと答えた。
決算不認定の原因となった参与問題は、森井市長から明確な説明も無く、結局、幕切れになってしまったが、観光事業者への高島漁港における一連の許可や、昨年の人事において、元総務部長から市長就任前に人事案を受け取ったとした発言など、棚上げになっている問題が山積しており、森井市長には、説明責任を果たすことが求められている。
◎H281201小樽市議会 本会議(提案説明)
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