北海道小樽水産高等学校(若竹町9・芹澤良通校長)の生徒を乗せた実習船「若竹丸」(澤田成彦船長・666トン)が、12月5日(月)8:20、小樽港第2埠頭8番バースに無事帰港した。
実習生は甲板にずらりと整列し、1ヶ月半ぶりに元気な顔を見せ、出迎えた学校関係者を安心させた。その後、実習中に漁獲したマグロを小樽港で水揚げした。
1997(平成9)年に造船した、北海道教育庁渡島教育局実習船管理室所属「若竹丸」での実習は、今回が最後の航海となり、来年度からは、新造船若竹丸(685トン)に代わる。
49日間の長期航海実習は、澤田船長はじめ乗組員23名と、同校本科海洋漁業科第2学年漁業コース22名と専攻科漁業科第1学年6名、指導教官3名、函館水産高校専攻科機関科の学生も乗船して、10月21日(金)13:30から壮行式を開き、全校生徒や保護者、学校関係者に見送られ出航した。
途中で、航海計器の一部不具合が生じるトラブルが起き、予定を早めて11月9日(水)にホノルル港に入港するパフニングに見舞われたが、地元小学生との交流や観光施設等を訪問し、11月12日(土)には出港。ハワイ諸島南西海域でマグロ延縄実習を続行した。昨年より2トン多い4.3トンを水揚げした。
長年、焼津港で水揚げしていたが、2014年度からは、札幌中央卸売市場内の高橋水産株式会社(札幌市中央区)が所有する、マグロの保管に適したマイナス50℃の冷凍庫を使用し、小樽での水揚げを実現させ、「元気まぐろ」と登録商標。市内スーパーで販売し、大変喜ばれている。
接岸後、実習生全員で水揚げの様子を見学。実習中に漁獲したマグロは、すでに船上でさばき冷凍保存され、凍ったメバチ・キハダ・ビンチョウマグロなど10本ほどを束にしてクレーンで吊り上げ、マイナス60℃対応のトラックに積み込まれた。中には、2mを超える巨大なクロカワカジキも獲れ、半分に切られた状態で運ばれた。
カジキマグロ2個体は、全形を保ったまま冷凍保存され、研究用に別便で運ばれた。40分ほどで水揚げは無事終了し、トラックは、札幌中央市場内の倉庫へ向かった。
実習生の1人は、「慣れない空間で長期間過ごし、居心地が悪いと思ったこともあったが慣れた。実習は勉強になった。小樽港に帰港して、やっと帰って来たと思った」と話した。実習生の下船は、6日(火)10:00を予定している。
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