小樽市空家等対策計画原案 大津会長から市長へ答申


 小樽市空家等対策会議がまとめた「小樽市空家等対策計画原案」を、11月21日(月)9:00から市役所(花園2)2階市長応接室で、大津晶会長(小樽商科大学准教授)から森井秀明市長へ答申し、その概要を説明した。
 同計画原案は、1.計画策定の背景や目的、2.空家の現状と課題、3.空家等対策の基本目標と方針、4.空家対策の取組(空家・空地バンク制度の充実や利活用対策や管理不全な空家の対応など)、5.成果指標の設定などを盛り込んだ。
akiyataisaku1.jpg 今年5月27日に第1回小樽市空家等対策会議を開き、大津会長をはじめ学識経験者・防犯・法務・不動産・福祉・市民の様々な分野から、14名の委員を選任。任期は平成30年5月26日までの2年間とした。
 小樽市建設部空家対策担当が事務局を務め、小樽市空家等対策計画案の策定に向けて、これまで会議を5回開き審議を重ね、同計画原案を取りまとめた。
 大津会長は、予防的に長い目で見た、住宅を管理していく上での所有者の意識管理が重要であり、特定空家(危険がある)の除却を具体的に判定する基準作りを着手するために技術的な部会を設置し、議論を進める計画等を盛り込んだ。具体的に活用してもらいたいとした。
 また、小樽特有の寒冷地や除排雪の問題があり、その地区ごとのきめ細かい配慮や、空家バンク制度について市民に問題意識を伝え、市民の関心を高めるためにも情報発信が必要、引き続き、議論を続けたいとした。
 森井市長は「新興住宅街で世代が変わり高齢化し、空家だけになっていると耳にする中、小樽市でも想定されるため、町のあり方を含めて考えたい。多くの世代の方々が愛着を持ってずっと町に住むためにはどうするか、空家が増えた町を新たなな町に形成するためにはどうするか考えなければならない。
akiyataisaku2.jpg 小樽の場合は歴史的建造物を活かす話の中、老朽化、維持とのバランスなど、他の地域よりも空家の考え方に対して意識が必要。この計画より、将来のビジョンが形になっていくことが地域の町並みの形成に繋がるのでは」と期待を寄せた。
 空家問題は、小樽をはじめ全国的に増加傾向にあり、重要な課題。国では、平成27年11月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」を公布し、平成27年5月に全面施行した。
 小樽市でも改善策として、昨年6月、建設部において、空家に関するワンストップ窓口を開設。専門委員を配置し空家状況の調査を取り組んだ。
 小樽市の平成27年度空家対策担当の業務について、空家に係る相談・苦情件数は201件。そのうち、落雪や雪止めの破損について93件の相談が最も多かった。
 平成27年8月26日から平成28年3月22日まで空家実態調査を、市内の調査会社に委託し、空家の状況把握、小樽市空家等対策計画の策定や特定空家等の認定、良好な空家の活用など、今後の空家対策に関する基礎資料の整備を目的として実施した。
 その結果、空家件数は2,423件(良好985件・不全予備軍1,052件・不全386件)。市内9つの地区に分け、比較的古い町の手宮地区は建物数に対して空家率が9.6%と一番高かった。
 今後、原案を基に内部会議を開き、市の案として市議会第4回定例会で報告し、パブリックコメント(案の内容を公表し市民から意見を聞く)を1月末まで実施して整理し、平成29年2月までに小樽市空家等対策計画を決定、市議会に報告。4月から計画のスタートを予定している。
 空家・空地バンク制度
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