森井秀明小樽市長が、市長就任直後の昨(2015)年6月に行った管理職の昇任人事が、地方公務員法違反に当たるとして、山田勝麿元小樽市長ら市民有志が、森井市長を同法違反容疑で札幌地検に告発することが分かった。
事の発端は、今(2016)年3月14日に市が受理した公益通報。平成27(2015)年度の森井市長の人事は地公法違反であることを指摘するものだったが、これを受け、市コンプライアンス委員会(山口均委員長)は調査を行った。
同委員会は、7月20日に調査結果について森井市長に報告。「昇任人事22件が、法の定める職員の能力を実証するものが存在せず、法令に違反するおそれがある事実」とし、違法であるかどうかの判断については司法機関に委ねる形となっていた。
これを受け、市議会においても、8月9日に総務常任委員会を開催し、森井市長の責任問題を追及したが、森井市長は「司法の判断は考えていない」と答弁し、「責任問題も発生しないし、自ら責任も取らない」との態度を取り続けた。
また、市議からは、公務員の告発義務を規定する刑事訴訟法第239条第2項を挙げ、職員による告発も必要なのではないかとの指摘もあったが、市は「法令に違反するおそれ」では、告発しないとしていた。
今回、森井市長の刑事告発の動きは、市コンプライアンス委員会の報告結果に、市民が白黒を求める格好となり、今後の行方が注目される。
森井市長は、今回の市民の動きに対し、「市政運営に当たり、告発されるようなことは行っておりません。なお、詳細な内容や事実関係が確認できないため、コメントすることはできません」と文書によるコメントを発表した。
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