多彩な芸術家が集う小樽市文化祭の関連事業「合同華展」が、10月27日(木)から30日(日)まで、市立小樽美術館(色内2)多目的ギャラリーで開かれている。4つの流派のそれぞれの個性が光る作品が会場を華やかにし、来場者の心を和ませている。
市内で活動する、草月会北海道支部グループ緑・華道家元池坊小樽支部・小原流小樽支部・深雪アートフラワー遠田絢子教室の4つの流派が年に1度集結。秋ならではの花や紅葉した葉を活け、それぞれの特徴を活かした作品を展示している。
草月会は7名の7点を、池坊小樽支部は10名の10点、小原流小樽支部は8名の8点、遠田絢子教室は共同作品を含む11名の11点を展示している。池坊と小原流は、前期と後期に分かれ、29日(土)からは前期と同数を展示する予定。
当番の草月会・河合征嶺さんは、「秋の混ぜ生け」を発表。自宅の庭に咲いた紅葉した紫陽花・バラの実・ほおずき・紅葉したゆきやなぎなど、秋を意識した花や木を用いた。花器に白樺の枝を添え、北海道らしさを強調した作品だ。草月会では、花や木を使った大胆でモダンな作品が並んでいる。
池坊では、小学6年生や中学3年生の作品も展示し、幅広い世代に親しまれている。
深雪アートフラワーは、11名による芸術的造花アートフラワーを出展。8名による共同作品は、バラの花をゴージャスに集め作品にした。講師の遠田絢子氏もバラの花が大好きで、生徒の目標の花でもあり、花びらや葉すべてが繊細に手作りされている。本物そっくりで、目を疑う作品が並んでいる。
他の作品と比較でき、花好きにはたまらない華やかな合同華展となっている。
河合さんは、「小樽で活動する流派が集まり、それぞれに違う雰囲気がある。モダンな花々を楽しんでもらいたい」と話した。
また、同館市民ギャラリー1・2では、和紙ちぎり絵展が10月26日(水)から30日(日)まで開かれている。
白鳥照子氏が、小樽市生涯学習プラザレピオと見晴(銭函)の2会場で開くにじの会教室の25名・120点を展示し、大変見応えのある作品展だ。
和紙ちぎり絵しゅんこう(神戸市)から取り寄せた専用の和紙を使った、風景や花・果物の静物などの作品が並んでいる。葉には、グラデーションされた和紙を使用。紙を丁寧にちぎり、絵具で描いたように見せている。
会員は、60代から最高齢93歳まで、楽しみながら作品づくりに取り組んでいて、技術も年々上達。1年の集大成を発表するとても良い機会となっている。
小樽運河をはじめ、札幌農学校や富士山、日本の景色をモチーフにした作品が多く、外国人観光客も興味を示し、会期中は、白鳥氏が会場で指導するちぎり絵の体験もできる。
皇后美智子様が作詞した「ねむの木の子守唄」からイメージし、歌詞を筆文字で添えた心温まる作品も展示されている。
白鳥氏は、「皆さん楽しく作品に取り組み、今年は沢山の作品が集まった。この機会に、ぜひ会場に足を運んでもらいたい」と話した。
和紙ちぎり絵展 10月26日(水)〜30日(日)10:00〜17:00(最終日16:00)
合同華展 10月27日(木)〜30日(日)10:00〜17:00(28日及び最終日16:00)
市立小樽美術館(色内1)1階市民・多目的ギャラリー 入場無料
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